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6. 物的資源の管理と最適化

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6. 物的資源の管理と最適化

事業経営において「物的資源」は、企業の生産基盤であり、事業の成否を左右する重要な要素です。物的資源は主に以下の二つの要素から構成されます。

  1. 原材料
    製品生産に必要な基本資源であり、品質・価格・供給の安定が不可欠です。
  2. 固定資産
    工場、設備、機械、建物などの生産基盤であり、効率的な利用と維持管理が求められます。

資源不足の時代において、これらを適切に管理し、最大限の効果を引き出すことが、企業の存続と成長に直結します。


1. 資源不足時代の到来

資源不足の背景

1970年代の石油ショックを境に、世界は「資源不足時代」に突入しました。これは突然の変化ではなく、潜在していた問題が表面化した結果です。特に1972年には、資源不足を背景とした世界的なインフレが発生し、経済に大きな影響を与えました。

  • ロイター指数の急騰:
    1971年まで安定していた指数(約500)が、1972年には750、1974年には1,479に達するなど、一次産品の価格が急激に高騰しました。

この資源不足によって、かつて資源を「消費する者」が強者であった構図が逆転し、資源を「確保する者」こそが強者となる時代が到来したのです。


2. 原材料に対する戦略

資源不足時代における原材料確保の戦略は、以下の視点で進める必要があります。

  1. 安定供給の確保
    取引先との関係強化や複数購買体制の見直しによって、供給リスクを分散させる。
  2. 効率的な利用
    省エネルギーや省資源技術の導入を進め、無駄な消費を抑える。
  3. 新たな供給源の開拓
    長期的な視野で新規の取引先や代替資源の導入を計画する。
  4. 実績づくり
    信頼関係を深めるために、三社購買から一社購買への切り替えも検討する。資源確保において、過去の取引実績が供給の優先権を確保するカギとなります。

3. 固定資産投資の基本方針

固定資産は企業の生産基盤を支えるものですが、経済合理性に基づいた投資が不可欠です。以下のポイントを明確にし、計画的に進めましょう。

  1. 何を投資するのか
    具体的な設備や技術の種類を明確にし、投資の目的をはっきりさせる。
  2. いつ投資するのか
    投資のタイミングを見極め、過剰投資や遅れを防ぐ。
  3. どれだけの金額を投資するのか
    厳密な予算設定と収支計画を基に、適切な投資規模を決定する。

固定資産投資の注意点

  • 不急不要な投資や直接的な収益に寄与しない投資は絶対に避ける。
  • 見栄や社員の機嫌を取るための投資は、企業の命運を左右する危険がある。

事例の教訓:富士製薬が立派な本社ビルを建てた事例のように、経済的合理性を無視した投資は愚かな判断です。投資は企業の成長戦略と一致するものでなければなりません。


4. 短期・中期の戦略

資源不足時代における物的資源の管理は、短期・中期の視点で進めるべきです。

短期的(1年〜5年)

  1. 事業構造の見直し
    長期的な視点で事業変革の道筋を計画する。
  2. 基盤づくり
    供給ルートや取引先との関係強化、資源効率化の取り組みを開始する。

中期的(5年〜10年)

  1. 実績づくり
    資源確保の具体的な成果を出す。新規供給先の開拓や、資源活用技術の導入を進める。
  2. 供給の安定化
    信頼関係を基に、供給の優先権を確保する取り組みを強化する。

まとめ:物的資源の確保が未来を支える

資源不足時代において、物的資源の確保と効率的な管理は企業の存続と成長を支える要です。

  1. 原材料:安定供給、効率利用、新規開拓の戦略を持つ。
  2. 固定資産:経済的合理性に基づき、無駄を排除しながら計画的に投資する。

短期的な基盤づくりと中期的な実績づくりが、企業の未来を支える資源戦略となります。社長は20年〜30年後を見据え、今から取り組みを開始することが求められています。

「物的資源こそ、企業の未来を決定づける」――この認識を持ち、早急に行動を起こすことが重要なのです。

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