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自社販売の成功事例: トラック・セールスの取り組み

ある日、K社長は私の提案を受け入れ、自ら販売活動に乗り出す決断をしました。選んだ手法は「トラック・セールス」。セールスマンが商品をトラックに積み込み、取引先であるM社の営業所を訪問するという形式です。その晩には営業所のスタッフと親睦を深め、翌日は現場を回って同行セールスを実施しました。こうして、直接的な営業活動を行うことで、顧客との関係性を強化しつつ販売促進を図りました。

この戦略は2台のトラックを活用して展開され、わずか3カ月で月商5,000台を達成するという大きな成果を上げました。K社長はこの経験を通じて、販売の重要性を実感し、自らの事業戦略を大きく見直すきっかけを得たのです。


問屋への過信を改めたT社の事例

T社では、売上が伸び悩む中、社長が会社に籠りがちで積極的な行動を避けていました。私が問屋を回る営業を提案したところ、T社長は「自社の商品を本気で売ってくれる問屋は存在しない」と気づきます。それまでの「問屋が商品を売ってくれる」という幻想が間違いだったと理解し、社長自身が販売に力を入れる重要性を認識しました。


大手問屋からの脱却: S社の挑戦

創業当初、S社は全国規模の販売網を持つ大手問屋4社と代理店契約を結びました。しかし、売上は全く伸びず、最終的には社長自らサブ店や再販店を回って直接販売を進める形となりました。「自社の商品は自らの手で売らなければならない」という原則に気づき、当初の戦略を見直すに至ったのです。


専門業者の活用で成功したQ社の事例

Q社で見つけた「シンデレラ商品」は、私の直感だけでなく、実際の販売実績も優れた商品でした。当初、社長は全国展開を大手業者に任せようとしましたが、私は「全国規模の業者が自社商品を本気で売るわけではない」と指摘しました。代わりに、地域密着型の専門業者を活用する戦略を提案。結果、商品に対する理解と熱意のある専門業者との連携が販売の成功を支えることになりました。


流通業者に依存しない販売の重要性

多くの企業は、代理店や問屋が積極的に商品を売ってくれると誤解しています。しかし、流通業者が忠誠を誓っているのは自社の利益であり、取り扱う商品が「儲かる商品」でない限り、積極的に売ることはありません。代理店契約は、広範な販売網を活用する手段にすぎず、最終的な販売活動は自社が責任を持って行う必要があります。


小売店との関係性: 「売場借用料」という考え方

小売店に支払うマージンは、単なる「販売手数料」ではなく、「売場借用料」と捉えるべきです。小売店は商品を並べる場所を提供しているだけであり、実際の販売活動を主体的に行うのはメーカー自身の役割です。この意識を持つことで、効率的な販売促進が可能となります。


「蛇口作戦」による販売促進の本質

商品を効率的に売るためには、いかに「蛇口」を効果的に活用するかが重要です。「蛇口」とは、小売店の売場や流通ネットワークを指しますが、それを活性化させるための努力はメーカー自身が行うべきです。商品が自然と手に取られ、消費者に選ばれる環境を整えることが、販売促進の本質です。

多くの企業が「蛇口の数を増やす」ことに注力しますが、本当に重要なのは、既存の蛇口がどれだけ効率的に機能しているかです。質の高い販売網を構築し、消費者の心に届く活動を行うことが、長期的な成功を導く鍵となります。

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