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商品収益性の分類と対応策

商品の収益性を評価する際には、実際賃率損益分岐賃率必要賃率の2つの基準で比較する。この評価により、商品は以下の2つのグループに分類される。

目次

第一のグループ:損益分岐賃率以下のグループ

このグループに属する商品は、損益分岐賃率(例:40円)を下回るため、それ単体では会社の赤字を招く。

これらの商品のことを 出血商品 と呼ぶ。

具体例 実際賃率が20円の商品を販売した場合、以下の状況が生じる:

  • 不足額の計算
    • 損益分岐賃率(40円) − 実際賃率(20円) = 一分当たり20円の不足
  • 年間赤字額の計算
    • 年間総工数 (N) を用いて、赤字額は以下の式で求められる:

このように、損益分岐賃率を下回る商品は、販売すればするほど会社の財務負担を増大させるため、迅速な対応が求められる。

対応策

  1. 価格の見直し
    • 商品価格を引き上げることで、損益分岐点を超える収益を確保する。ただし、市場競争力や顧客の反応を慎重に考慮する必要がある。
  2. コスト削減
  3. 収益性の高い商品との組み合わせ販売
    • セット販売などで全体の収益性を高め、出血商品の影響を軽減する。
  4. 生産中止の検討
    • 極端に収益性が低い場合は、商品の生産や販売を中止する。ただし、その商品が他の商品や事業全体に与える影響を総合的に評価することが重要である。

経営改善への第一歩

出血商品の影響を正確に把握し、適切な対策を講じることが、経営改善の出発点となる。損益分岐賃率を基準とした継続的な商品分析は、経営資源の最適配分と収益性向上につながる。

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