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危機時の綿密な資金調達戦略

大手取引先が倒産するような危機的状況では、計画的な資金調達戦略が不可欠です。救済融資の申請、手形の期日延長、売掛金の早期回収など、多くのシナリオを準備し、メインバンクとの緊密な連携を怠らないことが、資金繰りを乗り越える鍵となります。

目次

六ヶ月間の利益計画と資金繰り計画

危機に直面したK社では、まず六ヶ月間の利益計画を立てました。しかし、その内容は意欲的というよりも、苦しいこじつけに近いものでした。

単なる売上予測では赤字が明らかであり、それは倒産に直結する危険を孕んでいました。このため、どんな手段を使ってでも利益を出す必要がありました。

必要最低限の経常利益を設定し、その基準から必要売上高を逆算する手法が採用されました。この方法により、具体的な目標を設定することができました。

さらに、その基準を基に六ヶ月間の資金繰り計画を作成。不足する資金については短期借入金で補い、収支を整える形にしました。

銀行との救済融資交渉

短期借入金は銀行からの救済融資に頼る以外に方法がありませんでした。この救済融資を実現するため、銀行への依頼内容を二段階、三段階に計画し、「いつまでに、どの銀行からいくら借りるか」を具体的に設定しました。

また、この計画がうまくいかなかった場合の次善策も用意し、最悪の場合でも銀行に対応してもらうための最低ラインを明確にしました。

手形買い戻しと売掛金回収

さらに、手形買い戻し要求に対しては、期日までの猶予を求める方針を取りました。主要得意先には売掛金を期日前に支払ってもらうよう依頼し、仕入先には支払手形のサイト延長を申し入れるなど、具体的な対応策を実行しました。

メインバンクとの信頼関係維持

これらの対策については、必ず事前にメインバンクに相談し、実施後も速やかに報告するよう徹底しました。銀行との信頼関係を維持するためには、この手順を守ることが不可欠でした。

継続的な銀行への情報提供と信頼構築

資金繰りが厳しい状況においてこそ、メインバンクやサブバンクに事前相談を行い、毎月の業績報告を徹底することが信頼構築の鍵となります。この信頼が、融資を得るための最も重要な要素です。

銀行との信頼関係の構築

結果として、信頼関係の構築は大成功を収めました。K社長が作成した利益計画と資金繰り計画は、説明に迷いがなく、自信を持って銀行に説明できたことが大きな要因です。この明確で具体的な計画が、銀行に対する信頼を確実なものとしました。

銀行の支援とサブバンクの協力

メインバンクは全面的に支援を引き受け、その動きに続いてサブバンクも要請を全面的に受け入れました。これにより、資金繰りの安定が確保されました。

社長自らが陣頭指揮を執る重要性

特に強調したいのは、危機に直面した際に社長自らが陣頭指揮を執ることの重要性です。社長が先頭に立ち、責任を持って事態に対応することが、会社を救う鍵となります。

まとめ

綿密な資金調達戦略と社長自らの行動が、危機を乗り越えるための決定的な要素です。K社の例は、計画的な戦略と実行の重要性を示しており、他の企業にとっても多くの示唆を与えるものとなっています。

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