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情報なくて市場戦略なし

「結果は情報量に比例する」というのはウィーナの『サイバネティックス』に基づく理論であり、「敵を知り己を知らば百戦危うからず」というのは『孫子の兵法』に示された教えだ。情報が「戦い」の勝敗を左右する要素であることは疑いの余地がない。

それにもかかわらず、社長の情報収集に対する意識は驚くほど低い。どの会社を訪ねても、実際に役立つ情報らしいものはほとんど見当たらない。この状況で一体どうやって市場で戦うつもりなのだろうか。社内にある情報の大半は、自社内部の過去のデータに過ぎない。

事業経営において圧倒的に重要なのは外部の情報だ。それこそが事業の将来を左右するからだ。まず、社長自身が情報に対する感度の低さを自覚し、それを改善する必要がある。そして、自社の事業にとって不可欠な情報を計画的かつ継続的に収集する仕組みを整えなければならない。

どのような情報が必要なのかを明確に把握していることが、社長にとって重要だ。情報は多いに越したことはないが、膨大な量を抱えても、それを整理し分析できなければ意味をなさない。

そこで、本章では、最低限収集すべきと考えられる主要な情報について述べることにする。「これくらいは集めておかなければならない」と判断される項目を取り上げていく。

情報なくして市場戦略なし

  1. 情報の重要性
    市場戦略において「情報が戦いの帰趨を決める」というのは不変の法則である。ウィーナーの「サイバネティックス」や孫子の「兵法」からも示されている通り、「結果は情報量に比例する」。情報がなければ、企業は市場の変化に適切に対応することができず、戦略が成立しない。
  2. 内部情報と外部情報の違い
    多くの企業が社内情報にばかり目を向け、内部の過去データや業務履歴に偏っている。しかし、事業の成長や市場の変化を読み解くためには、外部情報が欠かせない。顧客ニーズ、競合の動向、市場のトレンドといった外部情報は企業の将来を左右するものであり、常に把握しておくべきだ。
  3. 情報収集の計画と継続性
    社長自身が情報の重要性を認識し、自ら情報収集に関わることが必要である。単に情報を集めるだけでなく、必要な情報を選別し、継続的に集めることで効果的な戦略が実現する。また、収集した情報を整理し、分析する力も必要で、情報過多に陥らないようにすることも重要だ。
  4. 実行すべき情報収集の範囲
    必要な情報の範囲を明確にし、その情報がどのように事業の成長や課題解決に役立つのかを理解することが肝心である。情報収集の項目を絞り込み、定期的な分析を行うことで、企業の方向性や競争力の強化につながる市場戦略が可能になる。

市場戦略には、的確な情報をもとにした計画的な収集と分析が不可欠である。

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