社長はお客様のところへ行け—顧客との直接接触が経営の基本
マーケティングの基本は「お客様を知ること」にありますが、社長自らがお客様のところへ出向き、直接の意見や要望を肌で感じ取ることが経営の成功に直結します。ここでは、社長自らが顧客と接触することの重要性を実例と共に解説します。
1. 現状把握と改善点の発見
ある配電機器の問屋で、社長が初めて顧客を訪問したことで、主要な顧客が零細業者であることや、特定の商品だけでは顧客のニーズに応えきれないことに気づきました。直接訪問によって実態を把握できたことで、仕入先を増やし顧客ニーズに応えるという方向性が決まりました。
2. 店舗の改善と売上向上
中堅の製パン業者で、社長が顧客の店舗を訪問した結果、商品が売り切れても追加配送が行われていないことや、商品の陳列が不適切な場合が多いことが分かりました。訪問をきっかけにベスト・ワンの顧客には一日二回の配送を提案し、陳列方法や商品の品揃えも改善する方針が打ち出され、売上が上昇しました。
3. 顧客ニーズに沿った商品構成の再構築
家具問屋の社長が大型店や格の高い店舗を訪問した際、同社の商品構成が顧客ニーズに合っていないことが明らかになりました。訪問によって得られた顧客の声を基に、商品構成を再構築する方針を打ち出し、その後の業績改善につなげました。
4. 定期的な訪問による関係強化と売上増加
高級衣装問屋の社長が全国の顧客を訪問した結果、売上が大幅に増加しました。直接の接触によって信頼関係が深まり、売上にも良い影響を与えた事例です。顧客の信頼を得るためにも、定期的な訪問が欠かせません。
5. 品質の問題を直接確認し、改善策を策定
機械部品メーカーの社長が主要顧客の現場を訪問し、製品が競合品に対して品質で劣っていることに気づき、信頼性の向上を図るプロジェクトを立ち上げました。顧客から直接クレームを受け、品質に対する顧客の期待を再認識する機会となりました。
6. 商品構成の見直しと製品改良
塩ビホースメーカーでは、専務が顧客を訪問することで「商品が硬すぎる」といった改良要望を多くの顧客から聞き、製品の改良に取り組むことを決意しました。顧客からのフィードバックをもとに構成を改善することが業績向上の鍵となりました。
7. 新しい顧客開拓と顧客ニーズの把握
婦人用ブラウスメーカーの社長は、訪問先で売れ筋商品の傾向を直接確認し、新規取引先の開拓にもつなげました。売れ筋を理解し、顧客の好みに沿った商品を提供することで、新規顧客の獲得に成功しました。
結論
社長が自ら顧客の声を聞き、直接関わることで、顧客のニーズを深く理解し、経営に反映させることができます。得られた情報をもとに迅速に対応し、柔軟に方針を修正することが、業績を上げ、信頼を得る道です。顧客との距離を縮め、実態を把握する努力こそ、事業の未来を切り開く鍵となります。
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