ゴンドラ(ここではガラスケース、オープンケース、ストッカー、ディスプレースタンドなどを総称するものとする)は、プロモーションツールとして極めて効果的であることに異論の余地はない。
小売店が自社に忠誠を示している以上、自社のゴンドラを適切に管理し、その中に自社の商品を並べてくれるはずだと信じ込んでいるのだ。
そのため、一度ゴンドラを小売店に設置した後は、完全に放置状態になってしまう。そして、競合他社の商品がそこに並べられていても、「気づかぬふり」で済ませてしまうのが現状だ。
R社のゴンドラについては、設置から半年後に追跡調査を行ったところ、全体の3割が店頭から消えていたというケースがある。この状況を放置すれば、3年後にどれだけ残っているかは予測もつかない。
H社でも、ゴンドラを設置してから約3年間放置していた。私の提案で社長が小売店を巡回した際、傷みが激しく劣化したゴンドラの多さに驚き、慌てて更新作業に乗り出したという。
ゴンドラという存在は、小売店にとって、メーカーや問屋から特定の商品を陳列する目的で設置されることが、実のところありがた迷惑でしかないのだ。
もちろん、メーカーや問屋がゴンドラを適切に管理し、必要な売上を確保できるなら問題はない。しかし、期待された売上を達成できないゴンドラは、小売店にとって貴重な売り場スペースを奪う厄介者でしかない。そのため、小売店が売れる商品を入れ替えたり、ゴンドラ自体を撤去したりするのは、ごく自然な判断といえる。
したがって、ゴンドラを設置する以上、その管理責任は自社が負うべきだ。それには、定期的な巡回による商品の補充やゴンドラの保守が含まれる。
さらに、必要な売上を確保して初めて、小売店にとっても自社にとっても、ゴンドラ設置の意義が生まれる。売上を生まないゴンドラは、まさに「無用の長物」に過ぎない。
ゴンドラ作戦を効果的に行うためには、「管理可能な数にとどめる」ことが肝心です。ゴンドラ(ディスプレースタンドやストッカーなどの店内設置什器)は確かに販売促進の強力な手段ですが、適切に管理されない場合、逆に他社商品の陳列場所となり、販売促進の効果が失われるリスクがあります。
ゴンドラ作戦の注意点
- 管理可能な数に制限する
ゴンドラは限られた数にし、管理が行き届くようにします。無制限に設置すると管理が甘くなり、競合他社の商品が置かれてしまうことがあります。 - 定期的な追跡調査
ゴンドラの使用状況を定期的に確認し、状態をチェックします。設置しただけで放置すると、破損や他の商品陳列などが起こりやすくなり、売場の価値を損なう恐れがあります。 - 小売店への負担配慮
小売店側では、売上に貢献しないゴンドラは売場の無駄と捉えられがちです。設置するからには、そのゴンドラが十分な売上をもたらすように努める必要があります。これはゴンドラ設置の正当性を小売店に示すためにも重要です。 - メンテナンスと補充
定期巡回を行い、商品補充やゴンドラの清掃、メンテナンスを行います。ゴンドラの見栄えが良い状態を保つことで、店内での視覚的な訴求力を高めることができます。
ゴンドラ作戦の成功に向けて
ゴンドラ設置は、単なる陳列手段にとどまらず、販売促進の一環です。したがって、ゴンドラを置いたらそれで完了ではなく、その後も責任を持って管理し、適切な販売結果が得られるよう工夫することが必要です。
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