MENU

社長は何をしたらいいのか

目次

業績があがらない思考

誤った考え

業績の上がらない会社の社長のよくある考え方は以下の通りである。

何を試しても結果が出ない。社員たちはただ形だけの仕事をしているだけで、いくら叱咤しても全く響かないらしい。それどころか、二人いる常務は役員としての責任感が欠如しており、指導力など皆無に等しい。というものだ。

この手の悩みを抱える社長は世の中で最も多いタイプだ。

業績が伸び悩んでいるものの、その原因を社員や他の役員に押し付け、自分自身には問題がないと信じ込んでいる。この考え方自体が完全に誤っている。

経営者の責務は経営計画を立てること

会社の業績が伸びない理由は、常務の無責任さでもなければ、社員の怠慢でもない。それは社長自身にある。正しい経営ができていないからこそ、成果が出ないのだ。

まずは社長自身が、経営者としての正しい姿勢を持ち、正しい行動を取ることが必要である。

しかし、多くの社長は、自分のやり方にどこか問題があるのは感じている。でも、それが何なのか分からなくて困っていると考えている。それを内部管理ができていないから、内部管理を強化して、結果その通りにならないから業績がよくならないという思考になってしまう。

そんな社長がやるべき最良の方法は、自ら経営計画を立てることだ。

経営計画を立てる作業を進めるうちに、次第に自社の経営において、これまでいかに重要な点が見落とされていたかを痛感するようにる。

そうして社長が何をすべきかを見つけることができる。

経営計画の実行

経営計画が完成したら、社内で発表しなくてはならない。そしてその計画を実行するのである。

経営計画発表会については、こちらに記載している。

その効用は驚くべき結果を生み出す。社員たちが驚くほどよく働いてくれて、業務を完全に任せられるようになる。この経営計画を立てずにして、任せることを先に着手してしまうと先ほど記載したように、誤った思考に陥り、負のスパイラルに入ってしまう。

手が空くことによって、将来のことを考えられるようになる。常務や社員の非難ばかりしていたが、すっかり変わることになる。

社長の本来の役割を誤らせる原因

社長の本来の役割は、「事業を経営することにある。

しかし、実際には「事業の経営とは何か」という核心がよく理解されていない場合が多い。

1. 正しい経営を教えてくれる人がいない

正しい経営とは何かを具体的に教えてくれる人もほとんどいないのが現実だ。

その結果、目の前で仕事をしている社員に目を向け、彼らを叱咤激励して業績を向上させようとするのが、ある意味では最も自然な流れとなる。

2. 経営学と称される誤った学問

さらに、経営学と称される誤った学問が、社員管理のための理論や手法を次々と生み出し、それを「経営」として教え込んでいる。社長たちはこれを信じ込み、疑うことなく取り入れてしまう。

内部管理に没頭

こうして、社長は会社の内部管理に没頭し、そこから抜け出せなくなる。

しかし、その結果は明白だ。どれだけ社員に気合を入れたところで、それが業績向上に結びつくことはない。むしろ、時間とエネルギーを浪費するだけだ。

顧客は社外にいる

事業経営とは顧客を創造すること

事業の経営とは、社員を管理することではなく、顧客を創造することだという点はすでに述べた通りだ。

社員を管理することで顧客を生み出すことはできない。なぜなら、顧客は会社の内部にはおらず、「社外」に存在しているからだ。

では、社外にいる顧客を創造するには、具体的に何をすべきなのか。それこそが、経営者が真に取り組むべき課題であり、事業の本質に迫る問いとなる。

顧客を創造するためには、広範かつ複雑な事業経営の中で多岐にわたる活動が必要となる。その活動の目標については、目標の設定で記載している。

活動と目標の組み合わせ

問題は、それらの活動と目標をどのように組み合わせ、どのように表現するかという点にある。

個々の活動の目標が明確であったとしても、それらが効果的に統合されなければ、実際の行動に移すことはできない。

事業経営の本質は、この組み合わせをいかに適切に設計し、全体をひとつの有機的な流れにするかにかかっている。

まず第一に経営計画を策定すること

その具体的な行動を導く基準となるのが「経営計画」だ。

私の経験の範囲では、この要件を満たす手段は他に存在しないと言っていい。

経営計画は、事業経営に関する多岐にわたる活動を、総合的に整理し、順序立てて示すものだ。

それは、抜け漏れを防ぎ、ムダを排除しながら、すべての活動を体系的に指し示す。経営計画こそが、経営者が複雑な事業を確実に前進させるための羅針盤となる。

だからこそ、私が経営計画の策定を手伝った社長たちの多くが口にする感想は共通している。「これまで自分は経営をしているつもりだったが、実際には社長として本当にやるべきことは何もできていなかった。経営計画を立ててみて、初めてその事実に気づいた」という趣旨の言葉だ。

この感想は、経営計画が単なる計画書ではなく、経営者自身の役割や行動を明確にする手段であることを物語っている。経営計画を通じて、初めて経営の本質を理解する社長が多いのも当然のことだと言える。

社長が自分のやるべきことを明確に理解した時点で、その会社はもう安泰だと言っていい。

社長が確信を持って打ち出した施策は、驚くほど速やかに良い結果をもたらす。それがさらに社長の自信を深める。この段階に至れば、すべてが軌道に乗る。これまで私が社長にあれこれ意見をしていた立場が、いつの間にか逆転し、今度は私が社長の考えを聞く側に回るようになる。

社長が自信を持って提案する施策について、私の意見はほとんどの場合「その通り」となる。加えるとしても、実施に際しての注意点を少し補足する程度に過ぎなくなるのだ。

こうした事例を数多く目の当たりにすると、経営計画の「効力」という言葉では足りず、まさに「威力」と呼ぶべき力を感じざるを得ない。

では、経営計画を作成するにあたり、何をどのように考え、それらをどのような順序で整理し、表現していけばよいのか。それを実現するには、計画を順序立てて的確に立案するための「ノウハウ」が必要になる。次に、その具体的な方法について述べることにしよう。

まとめ

社長の役割は、事業の経営であり、その要点は顧客を創造することである。つまり、社長が向き合うべきは社内ではなく、社外にいる顧客であり、社員を管理することが直接的な業績向上に結びつくわけではない。この視点を欠いてしまうと、社員の態度や管理のみに意識が向き、肝心の経営に必要な視野や行動が欠落してしまう。

社長が正しい経営を見出すために必要なのは、適切な経営計画を自ら立案し、実行することである。この計画が社長に何をすべきかを明確にし、経営の方向性を社員に示す羅針盤の役割を果たす。経営計画は、事業経営の各要素を整理し、優先すべき目標や具体的な行動を順序立てて示すものであり、顧客を中心にした視点で企業の成長を目指すものである。

経営計画の作成により、社長は次のことを確認できる:

  • 何をするべきか:経営の中で注力すべき項目と、そのために必要な具体的行動。
  • どう進めるか:顧客に応じた目標の立て方、各部門の活動の整理、優先度の確認。
  • 社員との一体感:社長のビジョンが明確になり、社員がそのビジョンに従って働く環境が整う。

実際に、L社の社長が経営計画を立てたことで、社員と役員が役割を自覚し、会社全体が一体となって動き始めた。このことからも、経営計画が単に業務の指針に留まらず、社内の意識を変革する「威力」を持つことが証明される。

最終的に、経営計画の確立は、社長に自信を与え、社員の力を引き出し、会社全体の成長を可能にする。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次