利益計画は、企業活動の最終的な成果である利益を目標として設定し、その利益を達成するための売上や経費を逆算して考えるものである。
この計画の意義は、社長が会社の未来像を描き、自らの意思で目標利益を設定することにあり、そのための活動が「逆算」という形で具体化される点にある。
以下に、利益計画において重要なポイントを示す。
利益計画の基本方針
※決算してみないと、いくらの利益が出ているか見当がつかなかったが、利益計画の目標と実績を確認していると、今期の利益の検討がつく。
我が社の目標が相当下回っていても、期末までに達成するという闘志が湧いてくる。
利益目標の設定
目標の設定は、まず利益計画を立てることから始まる。
企業活動において最終的な目的は利益の獲得であり、それを軸として動く必要がある。
達成すべき利益を目標として定め、その目標を実現するために「何をするのか、どのように進めるのか」を考え、決定し、実行に移すことが求められる。
企業活動の最終的な目的である利益を目標として、社長の決意を具体的な数字で表現する。利益計画は単なる「計算」ではなく、会社を存続させ、将来の成長を目指すための必須の計画であり、企業存続の基盤を築くものである。
事業経営は逆算である
逆算のアプローチ
設定した利益目標から売上高を逆算し、目標達成のための行動を考える。これにより、例えば、期末に達成すべき利益が分かれば、どのタイミングで何をするべきかが明確になる。利益計画が成り行き任せの経営を防ぎ、社長が自信と闘志を持って取り組む姿勢を作る。
最終目標が定まる以上、その達成に向けた思考、決定、行動はすべて「逆算」によるものとなる。結果が目標として設定されている以上、その目標を実現するためには、いつ、何を、どのように行うべきかを逆算して計画を立てることが必要となる。
何を今さら当たり前のことをと言われるかもしれないが、この当たり前のことが、事業経営の現場では驚くほど実践されていないのが現実である。
目標を設定せずに成り行き任せの経営を続け、ただ闇雲に努力を重ね、その結果を決算書で確認するというやり方では、正しい事業経営を行うことは到底できない。
経営者は、必ず利益計画を定めなければならない。
「事業経営は逆算である」という原則を社長自身が深く理解し、それを経営の基盤として実践しなければならない。
その逆算は利益計画を出発点とする。具体的には、「達成したい利益を目標として定め、その利益を得るために必要な売上高を逆算する」というプロセスである。
売上高から利益を予測する危険理論
しかし、この基本を理解せずに、「まず可能な売上高を予測し、その売上高を基に利益を計画しろ」と指導する人は少なくない。この方法は計画とは呼べず、単なる「計算」に過ぎない。
このように主張する人々は、「実現不可能な計画を立てても無意味だ」と考え、「計画とはその通りに実行されなければならない」という理論に基づいて行動する。その結果、可能な売上高を予測し、それを基に云々と話が進んでしまうのである。
しかし、現実には計画通りに物事が進むことは稀である。そのため、「計画と実績がある程度以上乖離した場合は、実績に合わせて計画を修正すべきだ」という考えに至り、いつの間にかそのような方向へ“発展”していくのである。
このような理論は「愚か者の理論」と呼ぶべきものであり、同時に会社を破綻に導く「危険な理論」でもある。こうした理論は、ほとんどのマネジメント論が共有するある前提に基づいている。
その前提とは、「会社は絶対に潰れない」という暗黙の不文律である。この前提があるからこそ、現実を無視した綺麗事をいくらでも並べ立てることが可能になるのだ。
この理論は、巧妙な表現によってあたかも正論であるかのように聞こえ、一定の説得力を持っているため、多くの企業がその誤った理論にとらわれている。その結果、業績不振に陥る会社が後を絶たない現実を、私はこれまで幾度となく目の当たりにしてきた。
会社というものは、「成り行きに任せたら潰れる」どころか、「いつ潰れてもおかしくない」という危険性を常に抱えている存在である。
だからこそ、社長は倒産の危機から会社を守り、その存続を確保するために、死に物狂いで努力しなければならない。

まとめ
具体的かつ実現可能な計画の設定
計画は詳細で明確に設定し、利益目標を達成するためのステップが具体的に示されていることが重要である。
意識革命の促進
利益計画を通して、従来の方法では達成が難しい目標を目指すことで、社長と社員の意識改革が促され、新たな挑戦への意欲が生まれる。
利益計画の設定は、経営の基本であり、企業の目指すべき将来像を実現するための具体的な指針である。
利益計画の具体的な作成方法については、下記を参考にしてください。
コメント