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その他の計画について

短期経営計画における主要な項目は、資金運用計画の段階で十分であり、一通り完了している。それ以外の事項については、特段の必要性がなければ含める必要はない。

その理由は、経営計画書は社長の意図と姿勢を示すものであり、事業方針の核心に絞って明確に示すべきだからである。

目次

生産計画は必要か

メーカーの社長が最初に抱く疑問は、おそらく「生産計画」に関するものだろう。

しかし、これは経営計画ではなく、販売計画を実現するための具体的な活動、いわば「プロジェクト計画」に該当する。製造はあくまで販売を支える機能に過ぎない。

メーカーにおける事業運営の本質は、製造したものを販売するのではなく、販売を目的として製造を行うことにある。事業の本質は「売るために作る」ことであり、計画書ではその経営方針を示すことに注力するべきである。

要するに、販売が事業経営の基本的な機能であり、製造はその販売を支える供給機能に過ぎないということだ。したがって、経営計画に盛り込む必要はなく、プロジェクト計画として処理すれば十分である。

部門方針は必要か

次に浮かぶ疑問は「部門方針」だろう。私が目にする多くの経営計画書には、この部門方針が盛り込まれていることが少なくない。

しかし、それらをよく見ると、事業方針や事業計画、つまり社長の姿勢を示すべき部分は抽象的な論述やスローガン程度で、詳細に記載されているのは部門方針ばかりだ。結局のところ、各部門の責任者が示した方針を寄せ集めただけのものに過ぎない。

もし各部門の具体的な運営計画が必要であれば、それは「管理計画書」または「プロジェクト計画書」として別途作成することが推奨される。

管理計画書は不要

中には、「年間行事予定」といったものまで丁寧に記載されている場合もある。しかし、こうした内容の実態は経営計画書とは程遠く、単なる「管理計画書」に過ぎない。

経営計画書には社長の姿勢や意図だけを記載

経営計画書とは、社長の意図を明確に示すものであり、その意図を強調して社員に協力を求めるためのものである。

したがって、経営計画書には社長の姿勢や意図だけを記載すべきであり、それ以外の事項を盛り込むと、本来の趣旨に不要な「混ぜ物」が加わることになる。

このように考えれば、経営計画書には社長の考え方以外の内容を一切含めないことが本来の姿であり、それが正しい形式であることが理解できるだろう。

私はこの考え方に基づき、どの社長にも自らの考え以外は一切記載しないよう勧めている。だからこそ、資金運用計画までを整えれば、それ以外の計画は不要だと結論付けられるのだ。

特別な必要性を感じた場合

ただし、社長自身が特別な必要性を感じた場合には、それを経営計画書に盛り込むことは問題ない。

例えば、「内部体制の整備に関する方針」として、内部体制の基本的な枠組みの変革、公害防止体制の強化、工場ごとの製品分担の見直し、最小限管理への移行、あるいは購買方針の変更といった内容が挙げられるだろう。

  • 内部体制の改革や基本的枠組みの変更
  • 公害防止体制の整備
  • 工場別製品分担の変更
  • 最小限管理への移行
  • 購買方針の大幅な見直し

これらは経営の基本に関わる課題であるため、経営計画書に含めることが適している。

ただし、それらに含めるべき内容は、あくまで基本的な事項や全社的に影響を及ぼすものに限定すべきだ。

細かい内容については、後述する「プロジェクト計画書」を別途作成し、その中で実施する形を取るのが適切である。

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