T社は赤字から黒字へと転換し、T社長は正しい経営とは何かを理解し、社長としての役割を明確に認識しました。業績の向上に伴い、社員の姿勢も大きく変わり、社長への協力姿勢が強まりました。
組織の変化:自発的な協力と連帯の強化
以前は適当に仕事をしていた社員が、次第に積極的に社長に協力し始めました。営業会議では活発な意見交換が行われ、工場でも残業への協力が進んで行われるようになりました。特に、冬場に中華餞頭の生産量が前年の4倍に増える見通しとなり、3カ月間夜9時までの作業が必要だと明らかになった時も、社員全員が進んで残業を申し出たのです。
社長は驚き、季節工の雇用を提案しましたが、社員はむしろ最小限のパート雇用でやり遂げたいと希望。必要以上の外部リソースに頼らず、自分たちで会社の成長を支えたいという強い意志が見られました。
自発的な貢献:コスト削減と創意工夫
業績向上の中で、社員は会社のためにさらに自発的に貢献を続けました。
- 冷蔵庫の移動
鳶職の経験がある社員が指揮を取り、日曜出勤を利用して冷蔵庫の移動を完了。外部依頼の数分の一のコストで実現しました。 - 建物の建設
建築経験のある社員が溶接機を活用し、社員全員で新しい冷蔵庫のための建物を建設。これも外部依頼に比べてコストを大幅に抑えられました。
こうした自発的な貢献に対し、社長は社員の姿勢に感銘を受け、社員への信頼がさらに高まる結果となりました。
教訓:正しい経営が社員の姿勢を変える
T社の経験から得られる教訓は、社員の姿勢は社長の姿勢によって左右されるということです。T社長が正しい経営を実践することで、業績が向上し、社員の協力姿勢も変化しました。これは、「会社の未来は社長次第」というT社長の言葉通り、経営の在り方が企業文化を形成し、社員のやる気や団結力を引き出すということを示しています。
正しい経営は単に利益を生むだけでなく、社員の士気と連帯感を高め、企業全体の成長と持続的な成功を支える力となるのです。
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