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会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は 片方の日は近視眼、もう一方は遠視眼。

スタート直後から大盛況、儲かって仕方がないというようなビジネスがあれば、誰 だって楽勝です。

しかし、起業後しばらくは試行錯誤の時期。安定軌道に乗るまで、多少の時間がかかるのが普通です。

むしろ、初めは失敗して当然だ、というくらいの覚悟をもってビジネスを始めれば、 当初の苦しい月日も、あらかじめ覚悟していたことだと落ち込んだり、深刻になつたり せずに乗り切っていけるでしよう。

しかし、中小企業には、当初の″失敗期間″を覚悟のうちだと平然と過ごせる余裕が なかなかありません。

いったん会社をスタートさせれば、事務所の家賃や従業員の給料 など、月々、支払わなければならないコストが生じるのです。

「いまは赤字だ。でも、必ず儲けてみせるから、それまで給料を待つてくれ」などとい う甘えは許されません。

つまり、中小企業の経営者は、足元の必要経費を稼ぎ出す近くを見る日と、将来、これで大きく儲けていくのだという遠くを見る目の両方をもっていなければいけないとい うことです。片目は近視眼、もう一方は遠視眼。

こうした視力はバランスが悪く、不便このうえな いでしょうが、ビジネスでは、近距離を見る日と遠い先を見る目を備えていないと、経 営の安定を確保しつつ、かつ成長力も育むことはできません。

ある不動産デベロッパーの創業者の話です。

彼は大手不動産販売の営業マンとしてそ の地域のトップセールスの座を守り続けた実績をもとに、やがては日本の代表的な都市 の姿を変えていくという壮大なビジョンを掲げて起業しました。

しかし、最初から大きな不動産開発の仕事が舞い込むはずはありません。そこで、信用を築き、地場に十分溶け込むまでの期間を食いつなぐために、なんと会社の1階でパン屋を経営したのです。バン屋なら毎日、現金が入ってくるからです。

ここまで徹底した経営者の例はほかに知りませんが、片方の手で日々の糧を稼ぐ手段 をもつていれば、本来、目指すべき事業のほうで失敗しても、会社はもちこたえられます。

「最初のうちは失敗して当たり前」。

このくらい腰を据えて、度重なる失敗をしても、 あきらめずに本業を成功させようとがんばり続けることができるのです。

▼成功は酒と同じで仕込みの時間が必要。その間を何で食いつなぐか。

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