本書の中には何度も、「採用の失敗」という言葉が出てきますが、採用の失敗とはどのようなことを意味すると思いますか?具体的には、次の三つのことです。
①採用した人材が入社後に活躍をしなかった。
②選考中など、会社側の対応で問題やトラブルを起こし、採用した・しなかったにかかわらず会社のイメージダウンを招いた。
③採用した人材が、定年退職以外の理由で退職した。
いかがでしょうか?答えを聞けば当たり前のことだと思うかもしれません。
しかし、「採用の失敗」の定義を尋ねると、多くの方が①の「予想した人材と違う」という雇用のミスマッチをあげます。残念ながらそれだけでは不十分なのです。
例えば、面接官や採用担当の対応が原因で、応募者が集まるインターネット上のコミュニティーや掲示板・ブログなどで、会社名を書かれて批判されてしまうこともあります。
インターネットの情報は消せないので、今回いい人材を採用できても、次回以降の採用で苦しみ、集客にも影響を与え顧客も減ります。
また、欠員補充を繰り返し、求人募集をし続けることで、人がコロコロ辞める会社やブラック企業ではないかと、社外の人や取引先に思われることも、採用の失敗です。
入社した人がすぐに退職をすれば、採用の失敗であることは理解しやすいでしょう。
しかし、三年や五年、十年で退職をした場合でも、同様なのです。
退職されるということは、その人につぎ込んだ求人費用や面接官の人件費や教育費用、そして何よりもその人にかけた時間を失うということなのです。
優秀な人材であるほど、退職されることによる会社の痛手ははかりしれません。
木を見て森を見ずのように、採用で①の部分だけ見ていると、採用の本質が見えなくなります。人数を採用するだけなら簡単です。
しかし、経営のために採用するのですから、長期的に会社の利益を考えて、②と③の視点も持つことが重要なのです。
【■POINT■「採用の失敗」の定義を知ることで、本質が見えてくる。】
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