この本はそもそも採用の本ではないのか?ここまで読み進めながらそう思う読者もいるかもしれません。
しかし、採用で成功するためには、「入社後の教育体制」まで考えておかないことには、採用した人が活躍できません。採用の成功と失敗を分けるのは、求人媒体の選び方や、面接官のスキルだけではありません。
「入社した人が長く働ける仕組み作り」まで考える必要があります。だから、教育に関しては、避けては通れない箇所なのです。
中途採用者であっても「しっかりと教育をして育てよう」という意識を持っている会社は、本当の意味での採用の成功を手にしています。
逆に、入社してすぐに使えるインスタント人材が欲しいと思っている会社は危険です。
育てるという意識が低いと、「自分は大切にされていない」という気持ちが採用された人にも伝わります。結果として、社員の定着率にも影響を与えることになります。
教育体制をつくるにあたって、「新しく採用した一名だけのために講師を社外から呼ぶのか?」という疑問や、「社内に仕事内容以外を教えられる適任者がいない」という状況は中小企業では当然なので、ここでは発想を転換しましょう。
ビジネスマナー研修や、若手社員研修、パソコン研修、営業研修など社会人としての教育をするにしても、中途採用者や新卒入社のたった一名のために何も講師を自社に呼ぶ必要はありません。
一般参加できる外部の研修に参加してもらうのでもよいのです。各都道府県にある商工会議所などでは、いろいろと研修をしています。
社内に講師を呼ばずとも、一人で受講できます。
新卒者は当然受講させることが必要ですが、中途採用者でも場合によっては研修を受けてもらうとよいでしょう。
このような教育への意識が採用後の定着率を左右します。
「OJT(先輩・上司による教育)のみは、〝放置〟と同じ」ということを意識し、自社の教育体制を改善していきましょう。
研修は、受けた後に学んだことを報告や発表させることで、受講した人の血肉になります。
そのような場もぜひ設けましょう。
その人の言葉で学んだ事を話させると、より研修効果が上がります。
【■POINT■自社に講師を呼ぶ余裕が無いなら、外部研修をうまく活用しよう。】
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