この本を手にしているあなたの職場に、本書で学んだような正しい面接の仕方を教えられる人はいますか?おそらくほとんどの人が該当しないでしょう。
たとえばあなたの会社の人事部長さんが、「正しい面接の仕方」を理解していなかったとしましょう。
人事部長さんの面接手法は、履歴書を見て、気になったところを聞いていくだけの面接だとします。その人事部長さんが間違った面接手法を、社内の面接官に教えてしまうのです。
面接官全員が間違った面接手法を学ぶため、会社全体の選考力が下がってしまいます。
もしあなたの職場に面接のことを教えられる人がいなかったなら、あなたは一からそれを職場に浸透させていかなければなりません。
また、採用とは経営者や人事だけが考えることではなく、全社の協力が必要です。
たとえば、一緒に働きたい人、働きたくない人を書き出すなど、求める人材像を絞り込む工程がありましたが、当然ながら、経営者や人事ではわからないことがあります。
現場(受け入れ予定部署)の意見を聞く必要があるのです。採用の重要性を全社に浸透させるためには、この最初の段階から、現場を巻き込んでいきましょう。
人事と現場に距離がある会社もありますが、「いま採用の改善でこんなことをしています。○○さんのご意見を聞きたいのですが」と意見を求められて、嫌な気持ちになる人はいません。
勝手に考えて決定事項を伝えたりするのではなく、一緒に採用活動を構築してください。現場の意見に採用成功の鍵があるのです。
たとえば、受け入れ予定部署の方に本書を読んでもらい、下地をつくってから意見を聞くと、喜んで協力してくれると思います。
どうしても現場の教育が難しいというのなら、いなだ事務所でも面接官研修をやっています。このような研修で意識を変えていくというのも一つの方法ですね。
【■POINT■最初から現場を巻き込むのが、意識を変える重要なコツである。】
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