経営において、トップから明確な目標が示されない場合、組織内で混乱や問題が生じることがあります。
この状況に対処する方法を考える前に、まずはトップが無目標ではないことを理解しましょう。多くの場合、トップは目標を持っているが、それが従業員に明示されていないことが問題です。
経営者やリーダーにとって、明確な目標の重要性は言うまでもありません。目標が示されないと、組織内で方針の不明確さや方向性の喪失が生じ、成果を上げることが難しくなります。
したがって、組織内の混乱や問題を解決し、効果的な目標管理を実現するためには、トップからの目標の明確化が不可欠です。
トップが明確な目標を示さない場合、経営担当者やリーダーはトップに対して質問し、トップの考えを理解し、それを具体化する努力をする必要があります。
売上げや利益などの数値目標は、方針を具体化しやすく、組織全体が共有しやすい目標となります。
また、自己努力と信念も重要です。目標が示されない場合でも、自らの使命感を持ち、組織の成功に向けて努力を続ける姿勢が必要です。
最終的には、経営者やリーダーが主導権を握り、組織内で明確な目標を設定し、成果を上げるための計画を立案し、トップの承認を得て推進していくことが不可欠です。
このようなアプローチを取ることで、組織内の目標管理が改善され、組織全体がより効果的に動くことが可能となります。経営者やリーダーが使命感を持ち、努力を惜しまない姿勢が、組織の成功につながる要因となります。
トップから目標が示されないときはどうしたらよいか
真の目標管理は、トップの目標が示されないかぎり、ありえない。……では、トップから目標が示されないときは、どうしたらよいか、現実にはこうしたケースが非常に多いのである。
しかし、多くの場合、トップが無目標であるということはないのである。ただそれが、トップの頭の中だけにあって、下に示されていないというケースが大部分であることを、筆者は知っている。
筆者にとっては、会社の経営のお手伝いをするのが仕事であり、その手始めが、トップの意図をきき出し、これを検討し、まとめ、経営計画に明文化してゆくことなのであり、その経験から知っているのである。
ただ、目標を示す必要性をよく認識していなかったり、「平素、ことあるごとにいっているから、わかっているはずだ、だから明文化する必要はない」と思っていたりするだけなのである。
ここで、トップのかたがたに一言申しあげたいことがある。
それは、会社の中の多くの混乱、トラブル、責任のがれ、無気力などの根本原因は、トップの意図が明確な目標となって示されていないところにある、ということである。
「いったい、うちの社長はどっちを向いているのだ。東を向いているようにみえるので、こちらも東向きで仕事をすすめていると、いつの間にか西を向いている。これではやりようがない」という意味の困惑が、成員の大きな問題なのである。
「さっぱり、自分の思うとおりに動かない」「いくらいってきかせても、わかってくれない」とお感じになっておられるのならば、目標が明文化されて示されているか、そして、それがくり返し強調されているかどうか、それに対して、下からの「成果達成計画書」が提出されているかどうかを、お考えになっていただきたいのである。
もしも、それらのことが行われていないならば、それらのことを行ってみることである。
部下の考え方と行動が、目にみえて違ってくることは間違いない。これは、トップだけのことではない。部下をもつすべての人に対していえることなのである。
それを間違った人間関係論によって、上から一方的に目標や指示をくだすのはいけない、部下の自らの意志によって起こす行動でなければ本当ではない、という思想があまりにも広く深く信じこまれてしまっているのである。
これこそ実は経営者不在、指導者不在の姿なのだ。
それがわからない亡者などには、この世の人間ではないだけに、手のくだしようがないのだ。
「下からの盛り上がり」というのは、上から明確な目標が示され、重い責任が負わされ、部下の能力の信頼という、指導に対する反応なのである。
これが本当であることは、すぐれた企業をみれば考えるまでもなく、すぐに気がつくはずなのに、それがわからない人は、亡者としかいいようがないのだ。
話をもとにもどそう。
トップが目標を示してくれないならば、トップに対して「目標を示してもらいたい」と切りこんでゆくのである。
しかし、このようなトップは、抽象的な方針やスローガンめいたものは示しても、なかなか明確な目標は示してはくれないものである。
しかし、そのようなトップの考えを、とにかくメモし、「そのためには、どれだけの売上げ、どれだけの利益をあげたいのか」だけは是が非でもきき出さなければダメである。
これさえも示してくれないトップ(古い型の経営者によくあるタイプで、それは利益をかくしたいと思っている)ならば、もう真の目標管理はあきらめるよりほかに道はない。
トップの目標の示されない目標管理はないのであるから、経営不在の目標管理……つまり、自らの目標を自らの意志できめる……でもするか、さもなければ、無目標管理……成り行き管理でもするしか道はないのだ。
しかし、少なくとも、売上げと利益が示されたならば、あとはそれを基礎とした「成果達成計画」を立案してトップに提出するのが、経営担当者の役目である。
これが補佐というものなのだ。いくらトップの批判をしてみても、事態は一歩も好転しない。自分たちでできる「事態好転の道」をさがし出すよりないのである。
こうして、トップの承認を得た計画を、自分たちで推進してゆく、という態度が決定的に重要なのである。これは苦しく、またむずかしいものであることは、筆者自身経験したからよく知っている。
赤字企業の中で、融通手形と高利の借金に追い回されながら、黒字転換のためのムリな目標達成に、悪戦苦闘した経験は、一生忘れることはできない。
もし黒字転換ができなかったら、筆者は救われなかったであろう。しかし、考えようによっては、それが自分への試練として、神が機会を与えてくれたのだ、と思ってがんばることである。
筆者もそう思ってがんばったのである。
まとめ
「4・6トップから目標が示されないときはどうしたらよいか」について、トップから明確な目標が示されない場合、組織内での混乱や問題が生じる可能性が高まります。しかし、多くの場合、トップは目標を持っているものの、それが下位に伝わらないことが問題です。この問題に対処するために以下のポイントがあります。
- トップに確認する: トップからの目標が不明確な場合、まずはトップに直接確認しましょう。彼らの意図や目標を理解することが重要です。
- 具体的な質問をする: トップに対して具体的な質問をすることで、抽象的な考えを具体化し、明確な目標を引き出すことができます。
- 売上げと利益を重視する: トップが目標を示すことが難しい場合でも、売上げと利益にフォーカスしましょう。これらの数字は組織の健全性を示す指標であり、目標の基礎となります。
- 自分たちで計画を立てる: 目標が示されない場合でも、経営担当者は自分たちで成果達成計画を立案し、トップに提出することができます。主導権を握り、計画を推進しましょう。
- 自己努力と信念: 目標が不明確な状況でも、自己努力と信念を持って取り組むことが大切です。困難な状況を乗り越えるためには、自己鍛錬が必要です。
- 経営者としての使命: 経営者としての使命感を持ち、目標の明確化と達成に向けて全力を尽くしましょう。目標の明確化は組織の成功に不可欠です。
トップの目標が示されない場合でも、経営者は自らの使命と責任を全うし、組織を成功に導くために努力すべきです。困難な状況に立ち向かい、組織内の混乱を解消するために、自己鍛錬と主導権の発揮が必要です。
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