「部門目標説明会」は、組織内での共通理解とチームワークを育む重要なプロセスです。
この会議では、上司によって承認された部門の目標が各部門に配布され、部門の長が自分たちの目標とその達成計画を同僚に説明します。
部門長たちは持ち時間内で目標や戦略を明確に伝え、その後に質疑応答セッションが行われます。
このプロセスによって、相互理解が生まれ、不必要な重複が排除され、チーム全体の協力が促進されます。
部門計画説明会は、単なる話し合いではなく、組織全体の運命や方向性を確立するための重要なステップです。
目標設定から部門計画の設定、説明、成果の検証までのプロセスは、会社の成功に欠かせないものです。
トップから中間管理職まで、全てのレベルで統合された目標を持つことは、組織全体の連帯感を高め、成果を最大化するのに役立ちます。
透明性とコミュニケーションが整備された組織は、将来にわたって持続可能な成功を収めることができるでしょう。
このプロセスは、組織のトップが日常業務から一歩引いて、より戦略的な視点で活動できるようにする一例でもあります。
組織全体で目標を浸透させ、共通のビジョンに向かって協力することで、持続可能な成長と成功が実現できます。
部門目標説明会
上司によって承認された「部門目標」は、コピーがとられ、同階層の他部門に配布されたのちに、部門計画説明会が開かれる。
ここで、各部門の長は、自己に割りつけられた目標と、それを達成するための方針や施策を説明するのだ。この場合には、「持ち時間」をきめて、その時間内で説明をするという習慣をつけることが必要である。
その持ち時間は一〇分くらいで、それに対する質疑応答が五分くらいが適当であろう。
これによって相互理解が生まれ、不必要な重複が除かれ、相互援助の相談によってチームワークがよくなるのである。
横のコミュニケーションは、こうやってこそ、基本的にできるのである。良好な横のコミュニケーションは、たんなる話合いだけで、できるものではない。
たんなる話合いは、自己主張や、ご都合主義から行われることが非常に多いことを、筆者はいやというほど経験し、また見せつけられているのである。
こう書いてくると、企業目標の樹立に始まり、企業目標説明会、成果達成計画、……つまり部門計画の設定、部門計画説明会にいたるまで、「ずいぶん、めんどうくさいものだな」と思われるかたがおられるかもしれない。
しかし、考えていただきたい。ことは会社の運命に関するのである。会社の活動とその方向を基本的にきめてしまうものなのである、めんどうくさいも何もあったものではない。
これこそ、何をおいてもやらなければならないことであり、このくらいのことが「最小限」絶対に必要なのである。
トップをはじめ経営担当者は、目標とその達成計画に、十二分の時間をさかねばならないのである。
企業の「青図」をいいかげんにしたら、それによる結果は好ましいものは得られないことを、覚悟しなければならないであろう。
上は社長から、下は監督者にいたるまで、ハッキリと定義づけされた、全社的に統一され統合された目標をもってこそ、すぐれた結果が期待できるのである。
全社的に統合された目標をもたずに、何ができるのか。これがないから、会社の中の人びとの行動と関心がバラバラになったり、あらぬ方向に走ってしまうのである。
以上のような手順をふんで、企業の目標を社内に浸透させてゆくと、トップは社内の日常の仕事にあまり時間をかける必要がなくなる。
例
実例で説明しよう……。筆者が、某社に目標経営を導入したときのことである。社長は、それまでは事務所に机をおいて陣頭指揮をしていた。
その社長が、目標経営を導入したときから、社長室に引っこんでしまったのである。なぜそうしたかを、社長に問いただしたところ、彼の答えは、つぎのような意味であった。
「いままで、仕事を任せなければいけないということを、何十回となく人にきき、本でも読んでいる。また、そうしたいと思っていた。
しかし現実にはどうすれば任せられるのかわからなかった。任せると、仕事がうまくいかなくなってしまうからである。ところが、今度こそそれがわかった。
私の意図は、目標とその方策が経営計画に示され、部下に伝えられ、それに対する部下の成果達成計画もでき、これを検討して承認した。
結果のチェックに関する方法と時期もきまった。それによって、部下の動きも変わってきたし、それが私の意図にそってやっているのがよくわかる。
こうなったら、私のやる日常の仕事がなくなってしまった。だからこうして社長室に引っこんで、将来のことを考えているのだ。部下に仕事を任せるということは、明確な目標を与えることによって、はじめて可能なのですね」
この実例が、コミュニケーション、権限の委任などにまつわる、従来の多くの問題に対する明快な解答になっていることに、あなたは気づかれたと思う。目標設定による方向づけの効果を、まざまざと、みせつけてくれるものである。
まとめ
部門目標説明会は、組織内で目標設定と方針説明の重要なステップです。上司が承認した部門目標は、他の部門と共有され、部門計画説明会で詳細に議論されます。各部門の長は、自身の目標とそれを達成するための戦略を説明し、討論の機会を設けます。持ち時間を守ることで、効率的な情報共有が実現され、相互理解やチームワークが促進されます。
横のコミュニケーションは、組織内での連携を向上させる鍵であり、単なる話し合いではなく、相互理解と信頼を築く場でもあります。企業の目標設定と共有は、会社の未来を左右する重要なプロセスであり、トップから下まで全てのレベルで徹底的に取り組むべき課題です。
全社的に統一された目標の浸透により、組織全体が協力し、効果的な方向性を持つことが可能になります。経営者が目標設定と方針をしっかりと定義し、部下に任せる際にも、明確な指針と成果測定があることで、業務がスムーズに進行し、組織が成果を上げやすくなります。
この手法を実践した実例では、経営者が社長室に引っ込んで将来の戦略に専念することができ、部下に業務を任せる効果的な方法が示されています。目標設定と方針説明が組織内で浸透することは、組織の成功に不可欠なステップであり、計画的なアプローチが組織の運命を左右する重要な要素となります。
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