同様に、アーサー・ラヴジョイの研究(『人間本性考』/名古屋大学出版会/1998年)も、承認欲求充足の重要性を説いている。その研究によれば、「他人からよい評判をもらうことによる快感」、あるいは「他人との関係において自分自身が快楽を感じること」、それこそが人間の本性であり、動機づけの源泉であるという。それを「快楽的感受性」と呼び、以下の3項目の存在を指摘している。他者から注目され、称讃され、認められたいという〝承認願望〟自分自身を高く評価したいという〝自己称讃〟他の人々よりも秀でたいという〝競争心〟これらが満たされたとき、人間は「えもいわれぬ快楽」を実感する。その快楽を求めて、人類は永遠に努力し続けているのであり、ゆえに快楽的感受性は人間の本性に近いものなのである、とラヴジョイは説く。
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