小さなPDSは、日々の立ち話的「報・連・相」にプラスして、もう少しまとまった時間を使って実施することも必要だ。月に1回は定例ミーティングの場を利用して、個人目標の進捗検討会をみんなで実施するとよい。以下の3つのアウトプットを目的に毎月、1〜2人の発表当番を決め、その人の目標達成手段をみんなで検討する。発表者の目標達成手段の補強発表者の実践の決意の強化職場としての協働意識の醸成1人当たりの持ち時間は1時間程度が目安であり、発表者は、約15分間、自分で考えた来月の達成手段を、思いを込めて他者に語ってみる。語れば、誰かが反応し、手段の補強に役立つようなアイデアがもらえるかもしれない。ときには、ピント外れな質問が飛んでくるかもしれないが、みんなでワイワイと発表者の達成手段の補強策を検討したり、お互いに協力できることを確認し合う。そのプロセスで、発表者は実践の決意を強くするし、リーダーを含め他のメンバーも発表者の思いを共有でき、職場の一体感も醸成される。検討会のテーマは「来月、何をするのか」がメインであるが、ときには「なぜ、その行動が今まで実践できなかったのか」という原因の掘り下げの議論も必要である。たとえば、以下のようなケースである。製造現場で「全員が整理・整頓を実践する」という行動目標を設定した。整理とは「いらないものを捨てること」であり、整頓とは「決められた物を決められた場所に置き、いつでも取り出せる状態にしておくこと」だ。整理は比較的スムーズに受け入れられたが、整頓の習慣化は思いのほか難しく、いっこうに定着しない。その原因は何なのか。今までは働く人々の意識の低さに原因を求め、いろいろな啓蒙活動を展開したが、なかなか思ったような効果が得られなかった。そこでみんなで再度、原因の見直し作業を実施して、「やらざるを得ない環境づくり」という対策を考えて、整理・整頓の自己チェック表を整備した。チェックしない限り1日の仕事が終わらない、という仕組みにしたのである。
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