パーソナル情報のキャッチボール人と人とが一緒に仕事をする以上、人間関係の円滑化も不可欠であり、それを積極的に仕掛けるのもリーダーの役割だ。人間関係とは煎じつめれば「好き嫌い」の問題だが、万人が万人を好きになるのは難しい。しかし、お互いが思いやりの感情を持つことは可能であり、それがあるから職場が1つの生き物として機能する。思いやりの気持ちの醸成は職場のチームワークにとって、最低限の条件なのである。ではどうすれば思いやりの気持ちが生まれるのか。その第一歩は「お互いに知り合うこと」だ。相手を理解すれば親近感も沸いてくる。筆者は相互理解の促進にはパーソナルな側面の情報交換が必須と考えて、宿泊研修の懇親会では必ず「パーソナル情報のキャッチボール」を実施する。当事者が「他者に話してもいいよ」という日常生活や趣味の話をみんなでワイワイと語り合う。お互いの心の距離が縮まって、翌朝顔を合わせれば、前日とはまったく違う親近感で「おはようございます」という挨拶がごく自然に口をつく。よく飲みに行く仲間は別として、毎日顔を合わせていても、意外と仕事以外の話はしていないのではなかろうか。また、パーソナル情報の交換は、お互いの思考や行動パターンの理解も促進する。理解し合えば、普通に聞くとムカつくような言動でも、「悪気はないのだから……」と容認できるであろう。
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