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個人ミッションを作る

このようにして職場ミッションの定義ができたら、それをもとに個人のミッションを考える。次にあるのは、職場ミッションと個人ミッションの記入用紙である。こうした用紙を用意して、職場で話し合いながら空欄を埋めていくといい。

リーダーミッションリーダーの場合、リーダーとしてのミッションを考える。「なぜ、組織にリーダーが必要なのか」というそもそも論と職場ミッションの内容とを絡ませて、職場のリーダーとしての中長期の役割を描き出す。このときも、職場ミッションと同様で、貢献対象が手掛かりとなる。リーダーの貢献対象は、以下の3つである。まず、リーダーは部門経営者など、上位者の分身であり、上位者に貢献しなければならない。いろいろな貢献が想定されるが、いちばんの貢献は上位者の方針の率先垂範(身を以って率先して実行すること)だと筆者は考える。同時にリーダーは、メンバーを通して業績を上げる人でもある。当然、メンバーも重要な貢献対象だ。「もっと、自分の強みを認めてほしい」、「仕事に行き詰まったときは、親身になって助けてほしい」などのニーズをメンバーは持っている。さらに、リーダーは「職場」という組織に貢献しなければならない。職場が1つの有機体として機能するためには、チームワークが必要であり、その強化に向けて、旗振り役を果たすのがリーダーの役割である。担当業務ミッション一方、メンバーは個人として、「担当業務ミッション」と「チームワークのためのミッション」の2つを考えることになる。担当業務ミッションとは、自分が担当している業務の中長期的な役割であり、現在の担当業務を今後も担当するという前提で考える。たとえば、同じ営業部に所属していても、各々の営業マンは異なった客先を担当し、客先特性もニーズにも違いがある。もし、自分がこのまま将来も継続担当するならば、お客様とどう向き合っていくのか。それを考えるのが、営業マンの担当業務ミッションである。また、職場によっては、営業マンをサポートする営業庶務という仕事に従事する人がいる。その人たちには、営業部のミッション(職場ミッション)に加えて「営業庶務としてのミッション(個人の担当業務ミッション)」が必要だ。営業庶務ミッションの貢献対象は顧客満足の第一線で体を張っている「営業マン」であり、営業マンが営業庶務に求めるニーズを理解し、応えなければ価値ある仕事とは言い難い。逆に、「規則はきちんと守ってほしい!」というような営業マンへの注文もあるだろう。それを上手に伝えて、効率的な組織営業の展開に貢献することも営業庶務の重要な役割である。なお、リーダーがプレイング・マネャーである場合は、リーダーはリーダーミッションに加えて、担当業務ミッションも記入するようにする。

チームワークのためのミッションメンバーの個人ミッションの2つ目は、チームワークのためのミッションである。組織は分業と協働の仕組みであり、メンバーには「自分が請け負った分業の完全遂行」と「職場のチームワークづくりへの積極的な参画」とが求められている。前者は担当業務ミッションとしてすでに定義したが、それにもう1つ、チームワークへの貢献というミッションを付け加えることが必要だ。両方を合わせて、メンバーの個人ミッションが完成するのである。

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