「ピーン」と来る目標目標のテーマアップに関して、もう1つ、留意すべきことがある。メンバーの心に馴染むような目標への置き換えである。工場の最前線で現場作業に従事している人たちに、「前年比10%の生産性向上があなたの目標だ」と言っても、果たしてピーンとくるであろうか。おそらく、みんな首を縦には振らないであろう。確かに、この目標には数値としての具体性はある。しかし、働く人々にとっては遠い存在だ。目標と仕事の実態とが懸け離れており、そのために「目標=自分たちの日常業務」と感じ取ることが困難なのである。これでは目標は他人ごとになり、強い目標達成意欲も責任感も湧き出ない。このような場合には、「前年比10%の生産性向上」を、現場の人たちが日常的に慣れ親しんでいる時間管理目標、たとえば「A製品の段取り換えを5分短縮する」という目標に変換する。また、目に見える目標である「不良品の個数削減」などに置き換えてみる。それが、ピーンとくる目標である。
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