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鉄則13ポスト争いで、会社に残すのは一人だけ。

◆優秀な人材が二人いるデメリット会社の中でナンバー2の座をめぐって争いが起こることがあります。この場合、端的に言えば「どちらかをクビ」が正しいです。基本の考え方として「両雄並び立たない」ことはまず理解しておかなければなりません。ナンバー2を争う二人ですから、Aさんも、Bさんも当然優秀です。すると、多くの社長は「優秀な人材ほど会社に残しておきたい」と思います。しかし、その発想自体が大間違い。中小企業でそんなことをやっても、うまくいくわけがありません。Aさんをナンバー2に据えたら、Bさんが足を引っ張るに決まっている。それが正しい人間の心理です。無能な人が足を引っ張るならまだしも、Bさんが実力者で、社内はガタガタになります。中小企業では、一人の優秀者がいて、後はそれなりでいいです。うまくいく組織とはそういうものです。◆別会社はなくてはならない「必要悪」クビにするのが難しければ、別会社で仕事をさせる。これは絶対にやるべきです。近い領域で似たような仕事をしても「両雄並び立たない」です。事業部を別会社にして、まったく違う仕事をさせれば、双方が上手に力を発揮してくれます。父親が創業者で、後継ぎに兄弟がいるケースで、分社化してそれぞれに任せた例を本書でも紹介しました。こうした、「別の場所で、別の仕事をさせる」のは一つの手です。そもそも優秀な二人は、会社の業績が悪いときはけっこううまくやるものです。お互い争っている余裕などないので、業績を上げるためにシンプルに奮起する。しかし、会社の状況がよくなると、間違いなく揉めます。人間とはそういうものです。考えてもみてください。会社に優秀な人材が二人いて、どちらかが専務や常務になって、どちらかが部長止まりだったら、これまた揉めるでしょう。揉めるどころか足を引っ張る最悪の構図になります。そんなことになる前に、肩書きだけは社長や専務にして、片方を社外に出してしまう。これこそ、人間の心理に沿ったやり方です。だから、別会社は必要悪です。本体の組織をしっかり維持して、業績を上げるためにはやらなければならないことです。

こんなことを言うと、「社外に出された人の気持ちはどうなるのか」「そんな人を受け入れる側の人たちは迷惑する」とか、いろんなことを言う人が出ますが、そんな話は起きて当たり前です。組織を維持するための必要悪の存在は当然の話で、誰に対しても「清く、正しく、美しく」なんてものはないです。

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