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鉄則30先代への報告は週に三回、「古参の活躍」を欠かさない。

◆先代社長への「2ステップ報告」を徹底せよ後継者(息子、娘)が会社を引き継いだら、今度は先代(父親、母親)に対して上手に報告に行かなければなりません。それも、ただ報告するのではなく、「上手に」がとても重要です。親にとって子どもは、いくつになっても子どものまま。しっかり社長をやっているか常に心配している一方で、何の問題もなくやると、それはそれで寂しくなる。親の心理とはそういうものです。そこを子どもは理解しておかなければなりません。後継者は会長となった親のところへ週に三回行って、報告する。これをきっちりやらなければなりません。そして報告も、明確なやり方があります。報告しなければならない「悪いこと」が起こったときは、もちろん最初に伝えます。それは当たり前の話です。しかし、そんなに悪いことは起こらないので、通常は会社で起こる日常を報告するが、その場合は「会長(親)が知っている人のことから話す」のが基本です。会長がよく知っている社員、山田さん、吉田さんが「どのくらいがんばってくれているか」「どんな活躍をしているか」をまず話します。ここでは少しオーバーに話します。山田さんが六〇点の働きをしていたら、下駄を履かせて八〇点のがんばりの様子を報告する。これは基本中の基本です。すると、会長は「ああ、山田もずいぶんとがんばってるんだなぁ」と嬉しくなる。それでいいのです。子どもは小さい頃から親に嘘をついてきているから、こういうとき、価値ある嘘をつきます。親を喜ばせる嘘も時には必要です。そうやって「知っている人」の話をしてから、今度は「知らない人」「新しく入った人」の話をします。「今度、新しく入った鈴木さんが、こんなふうにやってくれて……」と話します。最初は会長も「うん、うん」と聞いていますが、報告の回数を重ねる度に「まあ、そのへんはいいから」と言うようになります。知らない社員の話は聞かされてもおもしろくないからです。◆時間とともに徐々に「知らない人」の話を増やす

そうやって少しずつ時が流れていくと、段々と「知っている人」の数が減り、「名前も、顔もわからない人」の割合が増えていきます。そのときに、先代社長は本当の意味で「ああ、オレの時代も終わったんだな」としみじみ感じ入る。それが人間の心理です。社長から会長に退いた瞬間から、後継者が「これからはオレの時代だ!」「あんたの時代はもう終わった!」なんて態度を取ると、「何を、若造が!」「オレはまだまだやれる」と言いたくなる。そうではなくて、週に三回きちんと報告へ行って、古参が活躍している様子を伝えて先代を喜ばせる。そして次第に見知った顔がいなくなり、新しい人たちが会社を担って、先代社長は「時代の流れ」を自然に受け入れることができます。後継者は、そのくらいの人間の機微は理解しておかなければなりません。最悪なのは、「父親への報告」をLINEでする後継者です。面と向かって報告をしない。LINEは気心の知れた人とは便利だが、会長・社長・後継者のコミュニケーションには不可です。アナログの指導して、多くの先代社長と後継者の折り合いが良くなった。

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