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自問自答する

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「自分はできている」と思わないようにする

自問自答というのは、過去やったこと、あるいは市場のこと、将来やりたいと思うこと、そういったことを、「本当にそうなのか」「本当にできているのか」などというように、自分に問いかけて、真剣になって考えるということです。

自問自答をすると、今の自分たちがやっていることが、過去の延長線上で同じようなことをやつていたり、ものごとが一つの方向からしか見えていなかったり、非常に小さい部分にこだわつていて、もっと大きな本質的なことに取り組んでいなかったりすることに気づきます。

もし、そういうことに気づかないとしたら、慢心が心に巣食っている可能性があります。

「自分はできている」という心の日でものごとを見ても、何も見えてきません。

経営者にとって、最もまずいのは「自分はできている」といヽ?心を持つことです。

なぜ、こんなことを回酸っぱく言うかというと、表面上は謙虚ぶっているけれど、本当は自分は結構できていると心の中では思っている人が、たくさんいるからです。これはわが社に限らず、世の中一般的にも多いように思えます。

「会社がかなり高い目標設定をしている。だから八〇パーセントの達成でも、実はいい成績だ。自分は九〇パーセント達成できた。だから、結構できている方だ」

こういう考え方、あるいは「自分基準は超えているから、自分なりにできている」という考え方では、経営はあっという間にだめになっていきます。

経営者は常に危機感を持って経営をせよ

経営者は不安ではなく危機感にもとづいて経営をしなければいけません。

不安については、第二項で詳しく述べましたので、ここでは危機感について伝えておきたいと思います。

会社を経営したことのない人は、経営を誤解しています。危機感を持たず、追い風を受けて前に進んでいる状態が「正常な経営」だと思ってしまうのです。

しかし、現実は全く逆です。追い風にのって順調にいっているから安心だなどという経営をしていたら、あっという間に会社はつぶれます。

繰り返しますが、市場は暴力的なのです。

だから、自分たちは、いつも断崖の上を歩いている、ちょっとでも油断があったら、真っ逆さまに落ちてしまうといヽ2厘機感を持ってのぞむのが「正常な経営」なのです。

「危機感を持つ」とは、自分の状態や成績を客観的に評価しながら、慢心しないよう、努力を続けることです。

具体的な言葉にするならば、例えば、

「自分はひょつとしたら間違っているのではないか」

「ひょつとしたら、今の市場の競争に負けているのではないか」

「将来、今のままでいくと自己実現できないのではないか」

「今はいいけど、このままだと会社として消滅してしまうのではないか」

ということです。そして、そう感じたならば、危機感が現実にならない様に、具体的な問題を発見し、具体的な解決の行動を起こすということです。

お客様の一番厳しい日で、自分たちを見る

自問自答する時のコツは、

「お客様の一番厳しい日で、自分たちを見る」

ということです。

お店ならば毎日この日で自分たちのお店を見る。お店でない人も、自分の会社とか部門とかサービスとかを、お客様の一番厳しい日で見る。そして、本当にこれで世界に通用するのかを自問自答する。これが成功するために欠かせない条件だと思います。

経営者は変化に対応して成果を出せる人でなくてはいけないのですから、自問自答というプロセスがない限り、経営者としては絶対に成功しないと思います。

自問自答をしない経営者で、あるいは自間自答しないような会社で、長期間にわたつて成功した例というのは、聞いたことがありません。

経営者は、自分が考えている以上に自分に対してシビアな見方をしていく。そうした習慣を身につけなくてはいけないのです。

自問自答する人にだけ、優れたアイデアが生まれる

自問自答に関連して、これも大切なことなので、最後に一つだけ話を加えておきます。

「優れた勘」や「いいアイデア」、「斬新な考え方」こういったことができる人は、天才なのか。天才でない限り無理なのかということです。

私はそうではないと思います。

私が知る限り、こういったことができる人は全て、自問自答を日常的に行っている人です。

優れた勘やアイデアは、ドアに頭をぶつけた時などのふとした瞬間にひらめくようなイメージを持たれがちすが、本当はそうではないと思います。

その前のプロセスに重要性があるのです。

つまり、そこに行きつくまでの間に、どれだけいろいろなことを考えて、いろいろな人と話をして、そしていろいろやってみて、そこで真剣に自問自答するか。これが大事なのです。勘が働く人やアイデアが出る人というのは、これをやっているのです。

自問自答を通じて、いろいろな考えを練り上げたヽ?えで自分のものとして蓄積しているのです。それがあるからこそ、何か情報に触れた時に、そこまでのプロセスの結晶として、勘やアイデアという形となって出てくるのです。

人から見たら出てきた場面は一瞬ですから、なんとなくその場の思いつき、ひらめきで出てくるように見えますが、実は真剣な自問自答のプロセスがあってこそのものなのです。

エジソンの有名な言葉に、

「天才とは一%のひらめきと、九九%の汗である」

というのがあります。

何百、何千といろいろなことを汗水たらして考えた人にしか、ひらめきは訪れず、優れたアイデアという結晶にはいたらないのです。

経営者は、時として自らがアイデアをリードしなければいけない場面、突破口を作らなければいけない場面があります。経営者としてのそういった能力の面からも、やはり自問自答を習慣化することは大切なのです。

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