フアーストリテイリングの使命
ファーストリテイリングの基本的価値観は「お客様のために」です。言い換えれば、全てをお客様都合で考える経営です。
基本的価値観とは、経営をするヽ?えで自分たちが立脚する思想です。何をするにも全てそこから考えて、何よりもそこを大切にするのだという経営の基本思想です。
迷った時、悩んだ時に立ち返ってみる視点でもあります。
そして、その基本的価値観のもと、ファーストリテイリングは次のことを使命としています。
「本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します」
「あらゆる人々」というのは、ある特定の人々ではなく、金持ち、貧乏、老若男女、国、地域など、この世の中にある全ての「境」を超えた全ての人々に対してです。
そういつたあらゆる人々が、私たちの商品を手にし、着ることで、幸せな気持ちになれるようにすること。
このような価値を社会に提供するために、フアーストリテイリングという会社が存在しているということです。
ファーストリテイリングは洋服を通じて、社会を本当にいい方向に変えたいと思っています。そのために存在しているのです。こうした思いは、
「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というステートメントにも集約されています。
大げさでしょうか。そうではないと思います。この使命を信じて、この使命の実現を目指して商品やサービスを追求してきたからこそ、ここまでやれたのだと思います。
この思いがなければ、例えばユニクロでフリースやヒートテックという商品は生まれなかったのではないかと思います。
高額商品で手を出しにくかったフリースは、あらゆる人にとって買いやすい商品になりました。
ヒートテックの存在によって、冬のフアツションの楽しみ方に変化を生むことができました。
洋服を変えることで、手軽な値段で機能的で心地よい服が手に入るようになり、高くてあきらめていた人々の常識も変わり、人々の生活をいい方向に変えることができた。そんなことが少しずつ実際にできてきたのだと思います。
バングラデシュやカンボジアでの工場生産。こういったことも、その一つだと思います。発展途上国にとっての最大の問題はお金がないこと以上に仕事がないことです。そこに我々の工場を作り、仕事を作るというのも世界を変えることの一つにつながるのだと思います。
使命への共感、共有が必要条件
ファーストリテイリングで経営をやる人には全員、この使命を実現するために自分たちはここで経営をするということを強く思ってほしいと思います。
この使命の実現の可能性を信じて、こんな大きな使命の仕事ができる、その経営を自分ができるということに、喜びや夢を感じてほしいと思うのです。
そのヽ?えで、今自分が担当する組織の使命、持ち場の使命を考えてはしいと思います。
企業全体の使命を共有すれば、それを実現するための自分の使命感が出てくると思います。つまり、自分の仕事が、企業全体の使命の実現につながるように成果を出すという使命感です。
例えば、人事を担当するのであれば、人を育てたり、モチベーションをあげる方法を考えるのが仕事になります。その時、その仕事が、フアーストリテイリングの使命の実現につながるようにするにはどうしたらいいのかが求められることであり、使命になるということです。
そうではなくて、自分には自分のやりたいことがある。それはフアーストリテイリングの使命とつながるものではないということであれば、残念ながらこの中で経営をしてもらうのは厳しいと思います。
経営者にとって一番大切なことは使命感に従った経営をすることです。ファーストリテイリングの中で経営をする以上は、フアーストリテイリングの使命に強い思いを持っていただき、そこにつながる形での成果を目指してほしいと思います。
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