2025年– date –
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満ち足りた心で、真理一つを見つめよ
■原文(一〇) もしも楽しく生きようと欲するならば、修行者のつとめに注視して、互いに満足せよ。唯一つの真理(=ブッダの教え)を念じて修行せよ。 ■逐語訳 楽しく生きようと欲するならば:精神的な平安と充足に満ちた人生を望むなら。 修行者のつとめ... -
楽しみは、静けさと慎みの中にある
■原文(九) もしも楽しく生きようと欲するならば、修行者のつとめに注視して、蛇が鼠の隠れている穴に近づくように、臥処(がしょ)をさがして実践せよ。 ■逐語訳 楽しく生きようと欲するならば:心安らかに、満ち足りて生きたいと願うなら。 修行者のつ... -
足るを知り、他と比べぬ者は、心安らかなり
■原文(八) (托鉢によって)自分の得たものを軽んじてはならない。他人の得たものを羨むな。他人を羨む修行僧は、心の統一安定を得ることができない。 ■逐語訳 自分の得たものを軽んじてはならない:自分の努力や運命によって得られた成果を価値ないもの... -
他に依らず、法(ダルマ)を装って商わず
■原文(七) いかなることにもあくせくするな。他人の従者となるな。他人に依存して生活するな。法による商人として暮すな。 ■逐語訳 いかなることにもあくせくするな:どんな物事に対しても、焦りや執着をもって駆け回るような生き方をしてはならない。 ... -
栄誉に酔うな、静けさの中に道がある
■原文(六) ブッダの弟子は、つねにこのことわりを如実に知って、栄誉を喜ぶな。孤独の境地にはげめ。 ■逐語訳 ブッダの弟子:直接の弟子に限らず、仏教の教えに従い生きようとするすべての人。 このことわりを如実に知って:道理(真理)を、理屈ではな... -
欲と驕りは、真の道を見えなくする
■原文(五) 愚かな者はこのように思う。こうして欲求と高慢とがたかまるのである。利益を得るよすがは、ニルヴァーナにいたる道とは異なっている。 ■逐語訳 愚かな者:真理を知らず、自分の欲望や思い込みに従って生きる者。 このように思う:自分が正し... -
我(わ)が意思に従うは、真理に従うこと
■原文(四) 在家の人々も出家した修行者たちも、つねにわたくしのことを知れ。およそなすべきこととなすべからざることについては、わたしの意に従え。 ■逐語訳 在家の人々:家庭を持ち、俗世に生きる者(一般信者)。 出家した修行者たち:世俗を離れ、... -
隠れた欲望は、徳を腐らせる
■原文(三) 善くない人々は、利益を得ようと願い、修行僧らのあいだでは尊敬を得ようとし、僧房にあっては物惜しみの気持を得ようとし、他人の家に行っては供養を得ようとする。 ■逐語訳 善くない人々:徳が伴わず、偽善と欲望を内に秘める者。 利益を得... -
知識が毒にもなるとき──未熟な心に宿る驕り
■原文(二) 愚かな者は知識が生じても、ついにかれには不利なことになってしまう。それは愚かな者の好運を滅ぼし、かれの頭を打ち砕くであろう。 ■逐語訳 愚かな者(ムーダ):知恵や分別に欠け、自己中心的に振る舞う者。 知識が生じても:学問・情報・... -
虚名に滅ぶ──実りの先にあるもの
■原文 第一三章 尊敬一芭蕉は実が生ると滅びてしまう。竹や蘆は実が生ると滅びてしまう。牝の驢馬は自分の胎児のために滅びてしまう。そのように、悪人は尊敬を受けると滅びてしまう。 ■逐語訳 芭蕉(ばしょう):バナナのような植物。実が成ると母株は枯...