2025年– date –
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感情に溺れず、誠をもって己を律せよ
人の過ちの多くは、智の不足に因るのではない。むしろ、喜怒哀楽の節度を誤ることにある。とりわけ若き者は、情が盛んであるがゆえに、その制御を誤れば、たやすく道を踏み外す。 喜びすぎては浮かれ、怒りすぎては敵をつくり、哀しみに沈みすぎれば力を失... -
ギーター式瞑想の実践
① 静かな場所を選ぶ 『ギーター』では、「人里離れた静かな場所に座すべし」(第6章11節)と説かれています。自分の内面と向き合うため、できる限り外部の刺激が少ない、落ち着いた環境を選びましょう。 ② 姿勢を正す 背筋を伸ばす、頭と首をま... -
敵は外にはいない、自分の内にいる
怒りが込みあげたとき、心は激しく揺れ動く。思わず声を荒げ、誰かを責め、時には自分さえも傷つけてしまう。だがその怒りの根には、満たされなかった「欲望」がある。 「もっと大切にされたい」「わかってもらいたい」「認めてもらいたい」 こうしたカー... -
求めるな、すでに自由であると知れ
人は誰しも「不自由」から逃れたいと願う。時間に追われること、他人の目を気にすること、欲しいものが手に入らないこと――それらは心をかき乱し、「もっと楽に生きたい」と思わせる。 だから私たちは、お金を貯め、評価を得ようとし、便利さや快楽を追い求... -
死を恐れず、生まれ変わりの旅を知れ
「人は死んだら、どこへいくのか?」この問いは、誰にでもふと浮かぶ。子どもの頃にも、大人になってからも、ふとした瞬間に心に入り込んでくる。 テレビで笑っているとき、不意にやってくる。「今、この楽しい時間も、いつか終わるのだろう」と。 そうし... -
やりたいことではなく、やるべきことをやりきれ
この世界には、無数の「喜び」がある。美味しい食事、楽しい交流、所有する満足感――それらは人生を豊かにし、ときに生きる張り合いを与えてくれる。 だが、どこかで気づくこともある。「それだけでは、心の奥が満たされない」ということに。 食べても食べ... -
わからなくても続けよ、理解は歩いた先に現れる
勇士よ(※アルジュナのこと)、確かに意は動揺し、抑制され難い。しかし、それは常修と離欲とによって把促される(第 6章 35節) 何かを学びはじめたとき、「分からない」という壁は誰にでも立ちはだかる。 特に『バガヴァッド・ギーター』のように、人生... -
意志の火で、自分という器を焼き上げよ
人は、決めたことを守り通すことに困難を感じる。「早起きをしよう」「食べすぎをやめよう」「日々の学びを続けよう」そう決意したとしても、翌朝には眠気が勝り、空腹には負け、怠け心がささやき始める。 「今日だけはいいか」「続けても意味があるのか」... -
己の性質を知り、人生の舵を取り戻せ
この世界は、三つの性質――グナによって成り立っている。サットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(鈍質)。これらは、物質だけでなく、心・性格・傾向・思考までも形づくっている根本的な要素である。 静かに人の役に立ちたいと思う心。次々と活動し... -
五感に支配されるな、たづなを取る者となれ
私たちは、日々、何かを「欲しい」と感じながら生きている。新しい服、甘いもの、成功の証、誰かの称賛……これらはすべて、「カーマ(欲望)」として心の中に生まれ、気がつけば私たちを動かし、悩ませ、振り回す。 人が感官の対象を思う時、それらに対する...