2025年– date –
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温良恭倹譲 ― 導かれる人に備わる五つの徳
人から信頼され、自然と声がかかる者には、求めずとも周囲がその力を認めるだけの徳が備わっている。温かく柔和で、善意に満ちており、礼をわきまえ、贅沢を慎み、へりくだる――これら五つの徳があってこそ、人は安心してその者に教えを請い、事を託すこと... -
逝く人を敬い、遠き祖を偲ぶ心が、徳を育てる
人が亡くなったときには、礼を尽くして見送り、丁重に葬る。 そして、故人や先祖を思い、感謝と敬意をもって供養を続けていくこと。そうした心が人々の間に根づけば、やがて社会全体に厚みある徳が育まれていく。 過去を忘れず、命のつながりを大切にする... -
威を保ち、誠を尽くし、誤りを恐れず改める
人の上に立つ者は、落ち着きと重みがなければ人を導く威厳が保てない。軽薄な振る舞いをしていては、誰もその背を追おうとはしない。 学び続ける姿勢を持ちつつも、柔軟で偏らず、かたくなにならぬように心がけるべきである。まごころと信義を大切にし、た... -
行動にこそ、学びの真価が現れる──知識よりも誠実な実践を
人として自然な感情に従い異性に心が惹かれることは誰しもあるが、それと同じくらいの真剣さで、父母には力の限り尽くし、主君には命をかけて仕えるべきである。 友人との関係では、言葉に責任を持ち、信を守ることが何よりも大切だ。こうしたことが実行で... -
礼・信・仁を行い、実践の上に学びを築く
若いうちは、家庭にあっては親に孝行し、外では年長者や目上の者に礼を尽くすことが基本である。 人と接するときには言動を慎み、約束や義理を大切にし、信を裏切らぬよう心がけること。広く多くの人と良い関係を築くのはよいが、とりわけ仁のある誠実な人... -
人を動かす三原則は誠実・節度・適時
国を治めるにあたって最も大切なことは、軽々しく事を運ばず、慎重に取り組むことである。ただ慎重なだけでは足りない。そこに誠実さと、民からの信頼がなければならない。 無駄を省き、財を浪費せず、民を思いやる心をもって政を行う。そして、民の生活や... -
日々、己を省みる者は成長する(内省)
誠実であろうとする者は、自らを省みることを怠らない。 他人に助言するとき、それは真心から出たものだったか。友と接するとき、信を失う行いはなかったか。学びが不十分なまま、人に知ったふりをして教えていなかったか。 これらを日々自問し、心を整え... -
言葉と顔で飾る者に、真の徳は宿らない
耳ざわりのよい言葉で人に媚び、表情だけを繕って人の気を引こうとする者に、本物の思いやりや誠実さはない。 見せかけで心をごまかすことはできても、仁はうわべからは生まれない。 誠を欠いた振る舞いは、どれほど巧妙であっても、深い信頼や尊敬を得る... -
家族を思う心が他者を思いやる「仁」の原点である。
親を思い、兄弟を大切にする心を持つ者は、自然と目上の人にも敬意を払う。そうした人は無用に反抗することもなく、社会の秩序を乱すこともない。 根がしっかりと張った木がまっすぐ育つように、人としての根本が整っていれば、どんな分野においても大きく... -
学びを悦ぶ。そして学びは真の成長を導く道である。
学んだことを折にふれて復習し、実践を重ねる。その過程で自らの成長を実感できることは、何よりの悦びである。 同じ志を持つ友と語り合い、遠くから訪れる友と刺激を与え合うのもまた、人生の豊かさにつながる。 たとえ世に知られずとも、それを恨まず、...