2025年– date –
-
意志の火で、自分という器を焼き上げよ
人は、決めたことを守り通すことに困難を感じる。「早起きをしよう」「食べすぎをやめよう」「日々の学びを続けよう」そう決意したとしても、翌朝には眠気が勝り、空腹には負け、怠け心がささやき始める。 「今日だけはいいか」「続けても意味があるのか」... -
己の性質を知り、人生の舵を取り戻せ
この世界は、三つの性質――グナによって成り立っている。サットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(鈍質)。これらは、物質だけでなく、心・性格・傾向・思考までも形づくっている根本的な要素である。 静かに人の役に立ちたいと思う心。次々と活動し... -
五感に支配されるな、たづなを取る者となれ
私たちは、日々、何かを「欲しい」と感じながら生きている。新しい服、甘いもの、成功の証、誰かの称賛……これらはすべて、「カーマ(欲望)」として心の中に生まれ、気がつけば私たちを動かし、悩ませ、振り回す。 人が感官の対象を思う時、それらに対する... -
欲望を恐れるな、しかし従うな
人は何かを求めて生きている。新しい衣服、安心できる住まい、理解し合える伴侶――それらを得たとき、心は喜びに満たされる。 だが、その喜びが長く続かないことを、私たちは経験から知っている。手に入れたものはやがて色あせ、満足は次なる「もっと」の扉... -
対立に巻き込まれるな、超えた視点を持て
人生は、常に「二つのあいだ」で揺れ動いている。暑さと寒さ、快と不快、正と誤、成功と失敗――こうしたドヴァンドヴァ(二つの対立)が、私たちを迷わせ、苦しませる。 「お腹が空いたが、健康が気になる」「夢に挑戦したいが、安定を捨てられない」「自由... -
喜びにも、苦しみにも、揺らがぬ者であれー変化の中で不変を生きる者
この人生において、「スカ(快)」と「ドゥッカ(不快)」は絶えず巡ってくる。 誰もが心地よさを求め、痛みを避けようとする。その営みは、文化や国境を超えて人間に共通する本能であり、行動の原動力でもある。 美味を求め、成功を求め、人とのつながり... -
師は外に探すものではなく、内なる準備が招くもの
人は誰しも、導いてくれる存在を求める。混乱の中で指針を求め、問いの中で答えを探し、師の言葉を待ち望む。だが、真の師は、外を探して見つかるものではない。 よく言われるように、「自分の準備ができたときに、先生は現れる」のである。 学びは、一方... -
知識を深め、実践に落とせ、両輪の歩みに真理は宿る
『バガヴァッド・ギーター』の教えには、二つの柱がある。 一つは、宇宙と自己の真理を説くブラフマンの知識(ブラフマ・ヴィッデャー)。もう一つは、その真理を日常に生かし、心と行為を整える「ヨーガの教え(ヨーガ・シャーストラ)」である。 この二... -
結果を手放し、行為に心を込めよ
なすべき行為を遂行する カルマ・ヨーガとは、結果を求めることではない。それは「行いの結果」に執着せず、「なすべきこと」を静かに果たす生き方である。 それ故、執着することなく、常に、なすべき行為を遂行せよ。実に、執着なしに行為を行えば、人は... -
結果に縛られれば、心は欲に呑まれる
行いの結果は、自らの手では操作できない。それはこの世界の摂理――イーシュヴァラのはたらきによってもたらされるものである。にもかかわらず、人はその結果を自分の意志で引き寄せられるかのように錯覚してしまう。 「お金を稼ぎたいから、起業しよう」「...