2025年– date –
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尽くす心と理想の実現
何事においても、自ら掌る務めに深い興味と誠をもって尽力すれば、たとえすべてが思い通りに運ばずとも、その情熱と努力は、やがて心に描いた理想、あるいは欲するものの一部に通じ、形を得るものである。大成を急がず、小さき一歩にも魂を込め、粘り強く... -
商業における信の重み
商業においては、いかなる時代、いかなる状況にあっても、徳義を貫き通さねばならぬ。その根幹に据えるべきは、信である。信なくして取引は成り立たず、信なきところに繁栄は築かれない。商品や価格の巧みさよりも、まずもって信義を重んじ、取引先、顧客... -
金と人格の相関
われわれは、金を貴び、その力を善く用いることを常に心に留めねばならぬ。金は人生にとって欠くべからざるものであり、また大いなる働きをなすものであるが、同時に人を誤らせる危うさも孕んでいる。ゆえに金は、貴ぶべくもあり、賤しむべくもある。その... -
富と社会的責任
富を築くという行為の背後には、つねに社会の恩恵があることを忘れてはならぬ。資本も機会も信用も、すべては社会のなかにあってこそ成り立つものであり、個人の力のみによるものではない。ゆえに、得た富には報いる責務があり、それは慈善ではなく、徳義... -
仁義と職分の道
われわれに課された職分は、単に利を追うにあらず。仁義道徳をもって世に貢献し、利用厚生の道を進むことにこそ、その本義がある。事業は己のためにあらず、広く人々の暮らしを豊かにし、社会に益をもたらすものであってこそ意義を持つ。そのためには、義... -
実業と国家の信義
実業の世界において、不正が絶えぬということは、単なる個人や企業の問題にとどまらない。それは社会の信を損ない、経済の土台を揺るがし、ついには国家の安寧をも脅かすものとなる。正道を踏み、義を重んずることは、道徳上の美徳である以前に、社会全体... -
富と精神の均衡
人の世が栄え、人口が増すにつれ、金銭に対する公平なる見解が生まれたことは、時代の進歩とも言える。しかしながら、人情の本質には依然として弱点があり、利欲の念が先立つと、富を義の上に置くという過ちに陥りやすい。その積み重ねが、金銭を絶対とす... -
富と社会への報恩
富を得るということは、すなわち多くの人々の支え、社会の助力の上に成り立つものである。ゆえに、その富の度を増すほどに、受けた恩恵もまた大きくなる。この恩に報いる手立てとして、社会への助力や救済の実行は、決して美徳や善意にとどまらず、本来果... -
富貴と道理
孔子の教えは、富貴そのものを否定するものではない。ただし、それが道理を欠いたものであるならば、むしろ貧賤のほうが潔く、尊い。富を得ようとする心は否定されるべきではないが、その過程において踏みしめる道が正しくなければ、得た富貴は虚しく、己... -
金に対する覚悟
まことに世に立ち、完全なる人物たらんと欲するならば、まずもって金に対する確たる覚悟を持たねばならぬ。金は人を助け、世を動かす力を持つが、また人を惑わし、誤らせる魔性も宿す。富を得ることを恥とせず、しかし富に心を奪われることなく、清濁を見...