2025年– date –
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言葉は軽く語るな――行いがともなってこそ意味がある
実践のない言葉に、真実は宿らない 孔子は、古の君子(人格者)は言葉を軽々しく口にしなかったと説く。なぜなら、自分の行動がそれに追いついていないことを、何よりも恥じたからである。「言うからには、まず自分がそれを実行していること」――その覚悟が... -
親の年を知ることは、感謝と覚悟のあらわれ
喜びのために、そして覚悟のために 孔子は、親の生年月日や年齢を「知っておくべきもの」として明言した。その理由は二つある――一つには、年を重ねることを共に喜び、長寿を祝い、健やかでいてくれることへの感謝を示すため。もう一つには、年老いた親がい... -
想いを受け継ぎ、すぐには変えない――それが孝のかたち
道を改めぬ三年に、親への感謝と敬意を込めて 孔子は、親が亡くなったあと、すぐにそのやり方や方針を変えるべきではないと説いた。とくに父が築いた生活の方針・習慣・価値観などは、少なくとも三年の間は保ち、改めずに守るのが孝の道であるという。それ... -
親を思うとは、姿が見えぬときこそ心を通わせること
親に心配をかけないことも、立派な孝のかたち 孔子は、孝行とは特別なことをするのではなく、親を気づかう「日常の態度」にこそ表れると説いた。親が健在のうちは、なるべく遠方に出かけず、用事で遠出する場合には必ず「どこへ行くのか」を明確に伝えるべ... -
諫めるにも礼あり――敬意をもって伝え、心を尽くす
正しさよりも、親への思いやりを忘れずに 孔子は、たとえ父母に誤りがあったとしても、真っ向から否定したり、無礼な言い方をしてはならないと説いた。相手の立場や心情に配慮しながら、やわらかく丁寧に――角が立たぬように――誠意を込めて諫めるのが礼であ... -
他人は鏡――善き人を学び、悪しき人に己を省みよ
賢者に学び、愚者に我が身を映す 孔子は、人の成長とは、他人との関わりの中でこそ促されると説いた。もし賢い人を見たら、「自分もあのようになりたい」と心から学ぼうとする気持ちを持つべきである。逆に、よくない人を見た時には、「自分にも同じ欠点は... -
「正しさ」か「儲け」か――その視点が人の格を決める
世の中にどう貢献できるかを考えるのが、君子の目線 孔子は、物事の判断基準こそが、人の人格を分ける根本だと説いた。君子――すなわち徳を備えた人物は、何かを決めるときに「それが義(=道理・社会的正しさ)にかなっているか」を第一に考える。一方、小... -
すべての道は「忠」と「恕」に通じる
まごころと他者への思いやり、それが孔子の道のすべて 孔子は弟子の曾子に、自分の道(教え)は一本の糸のように、ただ一つのことで貫かれていると語った。その言葉を受けた曾子は、先生の教えは「忠恕」――すなわち、まごころ(忠)とおもいやり(恕)――で... -
評価や地位ではなく、ふさわしい人間になることに専念せよ
他人に知られることより、自分を磨くことを優先せよ 孔子は、まだ地位が得られないことや他人に評価されないことを嘆くのではなく、「自分がその地位にふさわしい人物か」「評価されるだけの中身を備えているか」を問うべきだと説いた。名声や肩書は追い求... -
形式よりも心――譲り合いの心なくして、礼は虚しい
礼とは形ではなく、思いやりと譲りの心に宿るもの 孔子は、社会や国家の秩序を保つうえで「礼」が重要であると繰り返し説いてきたが、その「礼」とは、単なる形式や作法ではなく、根本に「譲り合い」「他者への配慮」という心が伴ってこそ意味を持つと明言...