2025年– date –
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孤高すぎれば人は離れ、急ぎすぎれば和は失われる
どんなに高く聳え立つ山でも、その頂があまりにも険しく切り立っていれば、木は生えない。一方で、谷川のあたりには、草木が群れをなして生い茂る。 また、水の流れが急激なところには魚が住めない。だが、流れがゆったりと滞っている深い淵には、魚やスッ... -
中傷はすぐ晴れるが、へつらいは気づかぬうちに身を滅ぼす
誰かが私のことを中傷したり悪口を言っても、それはほんの一寸の雲が太陽を隠すようなものである。一時的に人の目をごまかすかもしれないが、真実はやがて明らかになり、雲はすぐに晴れていく。 しかし、それに比べてこびへつらってくる人間(媚子・阿人)... -
恩を忘れ、悪意に敏感――それは冷酷さの極みである
人からどれほど深い恩を受けても、それには報いようとしない。しかし逆に、他人から少しでも害を受けたり、自分が不快に思ったりした場合には、その怨みがどれほど些細なものであっても必ず報復しようとする――そんな態度をとる人間がいる。 また、人の悪い... -
名を好む者は、道義を偽る――最も危うい偽善の姿
私利私欲をむき出しにして行動する者は、あからさまに道義から外れているため、誰の目にもその害が見えやすく、被害も比較的浅くて済む。その姿は露骨で、警戒しやすいため、周囲もある程度対応できる。 しかし、名声や評判を欲しがる者は、道義の「名」を... -
磨き育てるには百回鍛え、事を起こすには重く放て
自分を磨き育てていくには、ちょうど金属を精錬するように、何度も何度も熱しては打ち、時間をかけて鍛えていく必要がある。すぐに結果を求めて手っ取り早く作り上げたものは、本当の修養・本物の人格にはならない。 また、何か新しい事業や行動を起こすと... -
欲は治せても、理屈に固まった心は治しがたい
人が欲望に執着している場合には、それをやめさせ、改めさせることはまだ可能である。なぜなら、欲は外に現れるものであり、条件や環境によってある程度制御できるからだ。 しかし、人が自分の「正しさ」に執着している場合――つまり「理屈(義理)」に固執... -
小人と争うな、君子にこびるな――人間関係の品位を保つ
つまらない小人物(しょうじんぶつ)――つまり、自己中心的で偏狭な小人とケンカをしても意味はない。なぜなら、彼らには彼らと同じレベルの者が自然と争いの相手として現れるものだからである。人格のある者がわざわざそこに降りて行って争う必要はない。 ... -
清濁併せ呑む度量が、人とのつながりと成長を育てる
自分自身のふるまいや心がけについては、あまりに潔癖すぎてはならない。この世の中には、よごれやけがれ、理不尽や不快な出来事も多くある。そうした一切を受け止められる懐の深さと忍耐の器量がなければ、社会を円滑に渡り歩くことは難しい。 また、人と... -
富も若さも一時のこと――だからこそ、慎みと備えを忘れるな
財産や地位を手にしているときほど、「これが失われたとき、自分はどうなるのか?」ということを思い、今なお困窮している人たちの苦しみに寄り添える想像力を持つべきである。 また、自分が若く元気な時期にあるときほど、必ずやってくる老いや衰えの辛さ... -
公と私における基本――役人には「公平と清廉」、家庭には「思いやりと倹約」
役人の心得: 一つ目は「**公平(こうへい)**であること」。――これさえ守れば、判断が明快となり、職務は正しく遂行される。 二つ目は「**清廉(せいれん)**であること」。――これがあれば、自然と周囲に対して威厳が生まれ、信頼される存在になる。 つま...