2025年– date –
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静けさの中にこそ、人生の真実と人間の本質がある
人生とは、ときに大波小波が押し寄せる波乱万丈の道である。激しい風や荒れる海のように、運命に揺さぶられる場面もある。しかし、そんな人生にもやがて訪れるのが、風のやすらぎ、波の静けさ――つまり、心穏やかなときである。 このような安らぎの中でこそ... -
一時の華やかさより、静かに長く続くものを尊べ
桃やすももは春に美しく咲き誇り、その花も実も見る者・味わう者を楽しませる。しかしその華やかさは一瞬で、花はすぐに散り、実もまた傷みやすい。 一方、松や柏は一年を通じて青々とし、その強靭さと節度ある美しさは、移ろいに揺らがぬ「堅貞(けんてい... -
態度にこそ人柄が表れる──真の君子は場面ごとに心を律する
**君子(くんし)**とは、外見や言葉でなく、どんな状況でも一貫して節度と品格を保つ人である。 たとえば苦難や災難に遭ったとき、多くの人は取り乱したり嘆いたりするが、君子は冷静さを失わず、平然と状況を受け入れて対処する。その心には、どこか泰然... -
若者は未来の器──心して鍛え、よく育てよ
子どもや若者は、将来の社会を担う「大人の胚胎(はいたい)」であり、まさに未来の宝物である。特に才能に恵まれた者は、やがて指導者として世に立ち、他を導く存在となることが期待されている。 しかし、その才能を活かすためには、若いうちからの「しっ... -
他人には公正な目を、自分には厳しい目を
誰かの過失を責めるとき、ただその失敗だけを指摘するのではなく、その人の中にある良い点、評価すべき点も併せて見て伝えることが肝要である。そうすれば、責められた相手も納得し、不平を抱くことなく、素直に受け入れやすくなる。 一方、自分自身を省み... -
口は心の門、意識は心の足──守るべきは言葉と想念の方向
口というものは、心の内にある思いや秘密が外に出る「門」である。だからこそ、口を慎まず、言葉を軽んじるならば、大切な真意や秘めた思考を、知らぬ間に漏らしてしまう。不用意な言葉は、信頼を損ない、機会を失わせる危険を伴う。「沈黙は金」という言... -
知ったつもりが最も危うい──中途半端な才知の落とし穴
真に悟りに至った人物――「至人」は、あらゆる偏見や思い込みから自由であり、物事を平静かつ客観的に見つめることができる。こうした人とは、学問を論じるにも、事を成すにも気持ちよく取り組むことができる。 一方で、まったく知識や理解のない「愚人」も... -
天の恵みは、己のためにではなく、世のために使うもの
天がある人に特別な「才能」を授けるのは、その人を通じて多くの人の愚を啓き、導くためである。すなわち、それは世の中をよりよくするための「使命」なのだ。 しかし現実には、その才能を自分の優越感のために使い、人の欠点を暴き、見下す材料としてしま... -
真の理解は、身体が踊り、心が溶け合うときに訪れる
書物を読むとき、その内容が自分の心に真に響き、血肉となる瞬間がある。そんなとき、人は思わず手を舞わせ、足を踏みならすほどの喜びに包まれる。それは、文字の表層的な解釈や枝葉末節にとらわれる段階を超えた、「魂での理解」の証である。 また、物事... -
感情に乗じた軽率は、必ず後悔を招く
気分が高揚しているときや、物事がうまく進んでいるときこそ、人は判断を誤りやすくなる。だからこそ、次のような「軽率な心の動きと行動」を戒めることが大切である。 嬉しさに乗じて、軽々しく約束してはならない。 その場の勢いで交わした承諾は、後に...