2025年– date –
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知識に宿らぬ覚悟 ― ごまかしの賢さより、命がけの愚直さ
一、原文と逐語訳 原文 勘定者はすくたるる者なり。仔細は、勘定は損得の考へするものなれば、常に損得の心絶えぎるなり。死は損、生は得なれば、死ぬる事をすかぬ故、すくたるるものなり。また学問者はオ知・弁口にて、本体の臆病・欲心などを仕かくすも... -
無分別の胆力 ― 分別は決断を殺す毒である
一、章句の原文と現代語訳(逐語) 原文(聞書第十一) 安芸殿、子孫軍法承らざる様にと申され候事「戦場に臨みては、分別が出来て、何とも止められぬものなり。分別ありては突破る事ならず、無分別が虎口前の肝要なり。それに軍法などを聞込みて居たらば... -
狂わずして大業成らず ― 死狂ひにこそ忠も孝も宿る
一、章句の原文と現代語訳(逐語) 原文(『聞書第一』より) 「武士道は死狂ひなり、一人の殺害を数十人して仕かぬるもの」と直茂公仰せられ候。本気にては大業はならず、気違ひになりて死狂ひするまでなり。また武士道において分別出来れば、早後るるな... -
狂気の哲学――死身に生きる志
一、章句の再確認と現代語訳(逐語) 原文(聞書第一より) 武士道といふは、死ぬ事と見附けたり。二つ二つの場にて、早く死ぬ方に片附くばかりなり。別に仔細なし。胸すわって進むなり。図に当らぬは犬死などといふ事は、上方風の打上りたる武道なるべし... -
食の質は、心と魂を映し出す
■原文(日本語訳)|第17章 第10節 クリシュナは言った。「新鮮でなく、味を失い、悪臭あり、前日調理された、また食べ残しの、不浄の食物は、暗質的な者に好まれる。」 ■逐語訳 ユーシャンナン(古くなった食物):時間が経過し鮮度を失ったもの。 ティク... -
力ある者は、優しさで人を立ち上がらせる
■原文(日本語訳)|第11章 第50節 サンジャヤは語った。「ヴァースデーヴァ(クリシュナ)は、アルジュナにこのように告げると、再び自分の〔人間の〕姿を示した。偉大な人は再び温和な姿になって、恐れたアルジュナを元気づけた。」 ■逐語訳 イティ・ア... -
真の姿を知れば、恐れは愛に変わる
■原文(日本語訳)|第11章 第49節 クリシュナは言った。「私のこのような恐ろしい姿を見ても、戦慄いてはいけない。心を乱してはいけない。恐怖を離れ、心から喜んで、あなたは再び前と同じ私の姿を見るがよい。」 ■逐語訳 マー・テ・ヴィータマ・ヴィヤ... -
愛をもって語られる、魂への最後の導き
■原文(日本語訳) 第18章 第64節(または:第1節からの再強調)聖バガヴァット(クリシュナ)は告げた。「勇士よ、更に私の最高の言葉を聞け。私はあなたの幸せを望んで、〔私を〕愛しているあなたにそれを語ろう。」 ■逐語訳 サルヴァ・グフヤタマム(あ... -
知識を曇らせるのは、満たされぬ心の炎
◆第3章 第39節による心得 ●原文引用 「知識ある者の知識は、この永遠の敵に覆われている。アルジュナよ、欲望という満たし難い火によって。」(第3章 第39節) ●逐語訳 知識ある者の知識は:智慧を持った人でさえ、 この永遠の敵に覆われている:欲望とい... -
叡智ある者は、動作すべてが沈黙の教えとなる
■原文(日本語訳) 第2章 第54節アルジュナは尋ねた。「クリシュナよ、智慧が確立し、三昧に住する人の特徴はいかなるものか。叡知が確立した人は、どのように語り、どのように坐し、どのように歩むのか。」 ■逐語訳 スタイタ・プラグニャシャ(叡智が確立...