2025年– date –
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立ち上がる者が、先頭を行く
一、原文と現代語訳(逐語) 原文抄(聞書第十一) 人は立ち上る所なければ物にならず。人より頭を踏まれ、ぐづぐづとして一生を果すは回惜しき事なり。誠に夢の間なるに、はつきりとして死にたきことぞかし。ここに眼の付く者稀なり。…「彼も人なり、鬼神... -
礼に背かず、権威に媚びず、己の実をもって貫け
一、原文と現代語訳(逐語) 原文抄(聞書第七) 「権左衛門、成るまじき」と御申し候へば、「さらば一槍仕るべし」と申し、竹刀おつ取り、山城殿を、馬より、さかさまに突落し申し候。…「正月初に、馬上武者の首二つ取りたり。気味よし気味よし」と申して... -
窮鳥を守る覚悟に、武士の一分が宿る
一、原文と現代語訳(逐語) 原文抄(聞書第八) この度の駆込者の儀は、鍋島の家に懸り申す事に候。助右衛門を人と存じ、相頼み候を、我が身難儀に及び候とて差出し候ては、侍の一分立ち申さず候。某一命に替へ申す覚悟にて候。大炊頭様御意と候ても、こ... -
磨かれた意地は、人を寄せ、道を切り拓く
一、原文と現代語訳(逐語) 原文抄(聞書第二) 意地は内にあると外にあるとの二つなり。外にも内にもなきものは役に立たず。たとへば刀の身の如く、切れ物を研ぎはしらかして鞘に納めて置き、自然には抜きて眉毛にかけ、拭いて納むるがよし。外にばかり... -
死者の名を汚さず、己の責を引き受けよ
一、原文と現代語訳(逐語) 原文抄(聞書第八) 中野将監切腹後、内蔵允、楢村清兵衛両人は将監付役にて候故、将監仕方一々御尋ねこれあり候。…「将監殿が未だ存生にて候はば、少々は其の仰せにて候と申す儀もこれあり候はん。然れども、今は故人に候間、... -
わが身よりも、義を貫け
一、原文と現代語訳(逐語) 原文抄(聞書第七) 新五郎儀も小舅の悪儀に付て、さっそく江戸より差下され、蟄居仕り候事三年にて候。…「是非とも女房に暇を出し候へ。その時は元々の如く召使はるべき事に候。今四石の身代にて何をながらへ申すべきや」と、... -
出世よりも、筋と義に生きる
一、原文と現代語訳(逐語) 原文抄(聞書第七) 左太夫子、内蔵之助女房は小川舎人娘にて候。舎人浪人、綱茂公思召入これある由に付、御代になり候てより、左太夫へ、「是非々々嫁を返し申され候様に」と申したる人これあり候へども、「科もなきを返し申... -
磨かれた意地は、人を寄せ、道を切り拓く
一、原文と現代語訳(逐語) 原文抄(聞書第二) 意地は内にあると外にあるとの二つなり。外にも内にもなきものは役に立たず。たとへば刀の身の如く、切れ物を研ぎはしらかして鞘に納めて置き、自然には抜きて眉毛にかけ、拭いて納むるがよし。外にばかり... -
誠は刃より鋭く、人を従わせる
一、原文の引用と現代語訳(逐語) 原文(抄) 松島の雲居和尚、夜中に山中を通られ候を、山賊出でて捕へ候。雲居申され候は、「我は近辺の者なり、逓参僧にてはなし。金銀は少しも持たず、欲しくば着物をやるべし。命は助けよ」と申され候に付、「さては... -
クセ者こそ、真に頼るべき人
一、原文の引用と現代語訳(逐語) 原文(抄) 神右衛門申し候は、「曲者は頼もしきもの、頼もしきものは曲者なり。年来ためし覚えあり。頼もしきといふは、首尾よき時は入らず、人の落目になり、難儀する時節、くぐり入りて頼もしするが頼もしなり。左様...