2025年6月– date –
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誰も代わってはくれない──死はすべてを超えて訪れる
引用原文(現代語訳) 子も救うことができない。父も親戚もまた救うことができない。死におそわれた者にとっては、かれらも救済者とはならない。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足子・父・親戚血縁・愛情・信頼・支えの象徴。いかに親しい者であっても、死... -
執着のうちに眠る者、死の洪水にさらわれる
引用原文(現代語訳) 子どもや家畜のことに気を奪われて心が執著している人を、死は捉えてさらって行く。眠っている村を大洪水が押し流すように。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足子どもや家畜愛情や所有の対象。「家族」や「財産」を象徴し、人の最も深... -
未来を慮るあまり、“今”の死を忘れるな
引用原文(現代語訳) 「わたしは雨期にはここに住もう。冬と夏にはここに住もう」と、愚者はこのようにくよくよと慮って、死が迫って来るのに気がつかない。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足雨期・冬・夏年間を通した住居計画=人生設計のメタファー。愚... -
この不完全な身でこそ、完全なる安らぎに至れ
引用原文(現代語訳) 病患になやみ、脆いこの臭穢の身体をもって、最上の安らぎ、無上の安穏に落ちつけよ。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足病患になやみ病気に苦しみやすい性質。身体の常態が不安定であることを強調。脆いこの臭穢の身体老い・死・不浄... -
その身体に、何を期待するのか──恐れと穢れの器にすぎない
引用原文(現代語訳) この身体に何の用があろうか?いつも臭穢を漏らし、たえず病いにおそわれ、老いと死におびえているのに。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足この身体に何の用があろうか?肉体そのものへの問いかけ。果たしてこれほど不完全な存在に執... -
命の灯が消えるとき、身体はただの藁である
引用原文(現代語訳) ああ、この身はまもなく地上によこたわるであろう。意識を失い、空ろで、藁のように、投げ棄てられて。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足この身はまもなく地上によこたわる死が差し迫っており、肉体が地に倒れ伏す様を表す。意識を失... -
美しさは幻、身体は壊れる器にすぎない
引用原文(現代語訳) この容色は衰えはてて、病いの巣であり、脆くも滅びる。腐敗のかたまりで、やぶれてしまうであろう。生命は終に死に帰着する。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足容色(ようしょく)美しい見た目、若さ、外面的な魅力のこと。衰えはて... -
残り水の中の魚──命は渇き、楽しみは幻となる
引用原文(現代語訳) ひとびとの命は昼夜に過ぎ去り、ますます減って行く。水の少ない所にいる魚のように。かれらにとって何の楽しみがあろうか。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足命は昼夜に過ぎ去り常に時間に侵食される命。昼も夜も容赦なく進行する。... -
命は流れる──動いても、止まっても
引用原文(現代語訳) 歩んでいても、とどまっていても、ひとの命は昼夜に過ぎ去り、とどまりはしない。河の水流のようなものである。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足歩んでいても、とどまっていても人が能動的に活動している時でも、静かに留まっている... -
時は灼熱の火、命はあぶられる魚のごとし
引用原文(現代語訳) ひとびとは昼も夜もそこなわれ、つねに過ぎ去って帰らない。魚が火あぶりにされているように、生死の苦しみを受けている。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足昼も夜もそこなわれ時間の流れとともに生命力が確実に削がれていく。肉体的...