2025年5月– date –
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栄誉は分け合い、恥は引き受けよ
名誉や美徳、功績といった誉れ高い評価は、自分だけで独占してはならない。少しでも人に譲ることで、妬みや敵意を遠ざけ、自らの安全を保てる。逆に、恥や失敗をすべて他人に押しつけてしまってはならない。自分の責任も認めて引き受ければ、それが謙虚さ... -
自慢は功績を台なしにし、悔いは罪を清める
どれほど大きな功績も、それを少しでも誇った瞬間に、その価値は崩れ去ってしまう。一方で、天を覆うような大罪でも、心から悔い改めれば、救われる可能性がある。つまり、人の真価は、成し遂げた偉業そのものではなく、それをどう扱い、どう向き合うかに... -
情けは巡って、自分の福となる
この世を上手に生きていくには、他人に一歩譲る心が大切である。一見、後退に見えるその一歩が、実は自分が先に進むための土台となる。また、人に対して完全を求めず、少し寛大な心を持って接することが、結果として自分の人生を豊かにしてくれる。人を利... -
欲には控えめに、修行には妥協なく
人からの恩恵や利得を受けるときは、慎みを持ち、他人より先に出るような態度は慎むべきである。しかし、徳を積み、善い行いをする場面では、人より後れをとってはならない。享受するものには分相応の節度を守り、自分を鍛え成長させることについては、む... -
義理と純真を忘れた人に、人は惹かれない
友とつきあうなら、せめて三分の侠気――弱きを助け、正義を貫こうとする心を持っていてほしい。また、人として魅力ある存在であり続けるには、どんなに世間に揉まれても、せめて一点の「素心」――純粋な心を失わずに保っていたい。人は力や知識ではなく、義... -
世俗の誘惑から離れたとき、人は真に高みに至る
特別な偉業を成し遂げなくても、名誉や利益といった世俗の欲望を払い除けることができれば、それだけで一流の人物に数えられる。学問を深めるにあたり、特別に知識を増やさずとも、世俗的な執着から自由になれれば、それはすでに聖人の境地である。人の価... -
幸せは、少し譲ることで深まる
細く狭い道を通るとき、混雑していれば、自分が一歩よけて人に道を譲る。おいしいものを分け合うとき、自分の取り分を少し減らして他人に譲る。このようなささやかな「思いやり」の積み重ねが、人生を安らかで幸せなものにしていく。自分の幸福だけを追い... -
今を広く生き、あとに豊かさを残す
人生を生きている間は、心を狭くせず、できる限り広く開いておくことが大切である。そうすることで、人々が不満や不平を口にすることなく、穏やかに過ごせる環境を生み出せる。そして、自分がこの世を去ったあとにも、心の恵みや影響が長く流れ続けるよう... -
質素な暮らしが、志と節操を守る
普段から粗食に満足している人は、心が氷のように清らかで、玉のように潔い。それに対して、美食や贅沢ばかりを求める人は、やがて権力者や地位ある者に媚びへつらい、自分を安売りするようになる。人の志は、淡泊で節度ある生活によってこそ輝きを放ち、... -
順境には慎みを、逆境には希望を
得意の絶頂にあり、運や人の恩に恵まれているときこそ、思わぬ災いが起こりやすい。だからこそ、好調なときには早めに頭を冷やし、自らを戒めて心を引き締めることが大切だ。一方、失敗が続き心が挫けそうなとき――実はその先にこそ、反転して成功が生まれ...