2024年– date –
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加工業の価格政策
採算が取れない製品の受注を断るという決断は、短期的には大きなリスクを伴うものだったが、それでも実行に踏み切った。その結果、主要な取引先三社のうち一社とは完全に関係が断たれる事態となった。 一方で、B社の状況に理解を示し、採算が取れる単価に... -
製造業の価格政策
T社は家庭用品を製造するメーカーだ。ある日、新商品の現物サンプルと見積書を持参し、大手の特約店である問屋を訪ねた。今回は珍しく、社長自身が直接足を運んだ。ちょうど問屋の社長が応対に現れ、「これはなかなか面白い商品だね。三千円くらいで仕入れ... -
サービス・パーツの価格
サービスや部品の価格設定が、多くの企業でほとんど考慮されていないのは一体なぜなのだろうか。 その価格設定は、妙なことに「利益は三割程度」という暗黙のルールに従っているようだ。どうやら、人間、とりわけ真面目に物事を考えるタイプの人間ほど、三... -
値引をどう考えるか
S社では、売上高に比例したリベート制度を採用していた。月間売上が1,000万円を超える顧客には、最高で売上の6%がリベートとして適用されていた。 社長に対して、「リベートは6%だが、実際の収益減は何%になるのか」と尋ねてみたところ、「そんなことは考... -
販売はどんな方式がいいか
メーカーの主要な販売手法には、訪問販売、小売店への直接販売、卸売業者や商社を通じた販売、職場単位での販売、さらには通信販売などが挙げられる。 どの販売方法を選択するか、あるいは複数の方法をどう組み合わせるかを判断するのは、経営者自身が果た... -
直販か代理店または特約店販売か
大企業や中堅企業の多くは代理店を通じて商品を販売している。中小企業においても、代理店や特約店を利用した販売形態が主流となっている。 中小企業において、一般的に直販は難しいとされる。その理由として挙げられるのは以下の通りだ。 販売網の構築が... -
総代理店制はとるな
総代理店制がもたらすリスク K社は、従業員約千人を抱える中堅企業だ。事業部は二つあり、一方は堅実に業績を伸ばしているが、もう一方は3年間連続で赤字が続き、その額は年々拡大している。黒字を生み出す部門がなければ、倒産は免れなかっただろう。 赤... -
全国を制覇したいというが
H社は洋品雑貨を取り扱う問屋であり、主に百貨店向けの取引を行っている。従業員は約300名在籍しているが、そのうち200名が百貨店に派遣されている店員だ。訪問したのは期末間近のタイミングで、当期の赤字は推定で約2億円、不足資金も同額に上る状況だっ... -
「きめの細かい販売網」はダメ
規模を拡大しようという発想から生まれるもう一つの間違った行動が、「緻密な販売ネットワークを構築すること」だ。 I社は焼き菓子を製造する企業だ。数年前、販売促進を目的にあるコンサルタント会社に指導を依頼した。その会社から派遣されたコンサルタ... -
複数の販売チャンネルを考えよ
F社は手押し式掃除機を製造する企業だ。同社は総代理店制を採用しており、販売経路として主にデパート、スーパーマーケット、そして家庭雑貨店の三つを柱としている。 F社の社長は、現行の販売網に物足りなさを感じていた。F社自身が新たな販路を切り拓...