2024年– date –
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生産性ということ
生産性の本質と付加価値の役割 「生産性向上」という言葉が頻繁に使われるが、生産性とは具体的に何を指すのだろうか。その定義は、成果とそれに要した費用との比率で表されるのが一般的だ。 では、企業における「成果」とは何を指すのか。そして「費用」... -
収益性の判定はどうするのか
収益性を高めるための正しい視点 加算法は、上述の二つの理由から、至る所で混乱を引き起こしている。それにもかかわらず使われ続けているのは、加算法が完全に過去計算に基づいているからだ。過去計算は、正確であろうと誤りであろうと、企業経営には何の... -
時間当り収益性
流通業と製造業の収益性の違い 流通業では、期間ごとの収益性を計算する際に、既存の算式をそのまま利用すれば問題ない。商品は仕入れればよいため、数量の制約については、仕入先の能力がある限り、基本的には考慮する必要がない。 ただし、例外として、... -
商品価格決定のための基礎計算はどうするのか
製造業における商品価格の決定では、最初に行うべきなのは基礎的な計算だ。その計算式は以下の通り。 商品価格=単位当たりの原材料費+単位当たりの工賃(利益を含む) 単位当たりの工賃=賃率×加工時間(余裕時間を含む) この計算方法が最もシンプルか... -
商品価格の決定
前節で取り上げた商品価格の基礎計算の方法とその考え方は、あくまで出発点に過ぎない。この計算結果をそのまま商品価格として採用するのは浅はかな判断と言える。 ある建築金具メーカーが自動機を導入し、コスト削減を図ったうえで、市場価格の3割引で製... -
商品収益性はこうして
最初に押さえておきたいのは、「商品ごとの総原価は計算できない。算出可能なのは商品ごとの収益である」という点だ。 なぜこの点を改めて確認するかといえば、かつて「増収増益戦略セミナー」で二日間にわたり講演を行い、その中で「商品別原価は計算でき... -
部門別(営業所別・店舗別も同じ)収益性はこうして
部門ごとの収益性を測る方法が、ほとんどの企業で誤っているのが実情だ。前述の通り、共通費の割り振りが問題を引き起こす。その原因は「割り振り方が悪い」という点にある。しかし、「割り振り方が悪いなら割り振らない」という選択肢も現実的ではない。... -
生産性による効率分析
生産性についての基本的な説明はすでに述べた通りだ。この生産性の計算式を活用すれば、商品別や部門別の分析では見えない、企業全体の施策や活動の効率性を評価することができる。これは、「産出に対する投入の割合」という生産性の定義を、多様な施策や... -
経費節減というが
S社を訪問した際のことだ。従業員はおよそ500名。S社では非常に厳格な予算管理が行われており、部門ごとにあらゆる経費が細かくチェックされていた。例えば、鉛筆一本でさえも必ず請求伝票を作成する必要があった。事務用品の部門別使用額を算出するために... -
固定費の特質
固定費を単なる「費用」として捉え、「費用は少なければ少ないほど良い」といった短絡的な考え方は誤りだ。では、どのように理解し、扱えばよいのだろうか。費用とは本来、事業経営における必要性に基づいて使われるものである。 したがって、「どのように...