2024年– date –
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地域戦略
S社は電気機器を製造する企業だ。売上の大半は大企業の下請け業務から得ており、一部は市販品として販売しているが、市場占有率は1%未満と極めて低く、ほぼ限界的な生産者に位置付けられる。本社はS県に構え、東京には営業所を展開している。 売上の大半が... -
新事業を創る
M社から、新商品の事業化をサポートしてほしいという依頼が来た。M社は大企業の下請けを担っているものの、石油不況の影響で業績が大きく落ち込んでいる。そこで、長年の課題だった自社商品を活用し、収益の拡大を目指したいという狙いがあるようだ。 その... -
新事業は社長以外の誰の役割りでもない
H社は業界トップのシェアを持つ優良企業だ。社長のH氏は、自身の時間の大半を顧客のもとで過ごしている。会社にいる時間は少ないが、その姿が見られるのは決まって開発室だ。顧客の声を直接聞き、それを開発室で形にする。この往復こそが、H社の新商品がヒ... -
企業の内部に成果はない
企業は多種多様な人々の集まりで構成されている。その個々の人間をどのように動かすかによって、企業の成果は大きく変動する。しかし、この課題は非常に複雑であり、経営者の意図通りに人々が行動してくれるわけではない。 その結果、経営学と呼ばれる学問... -
「顧客の要求を満たすための内部体勢」が組織である
企業の成果は顧客の要求を満たすことで得られる以上、社内の思考や行動のすべては、顧客の要求を出発点とし、最終的にそこへ戻るべきである。これはごく当たり前のことである。 しかし現実は全く逆で、顧客の要求はどこかへ消え失せ、会社内部にあるのは「... -
企業組織は外部情勢の変化に対応しなければならない
伝統的な組織理論は、内部管理に偏重している。この偏りはどこから生じたのだろうか。欧米では、中世以前に「企業」と呼べるものは存在していなかった。十八世紀から十九世紀にかけて、家業や生業といった形態の事業が徐々に規模を拡大し、やがて工場とい... -
見失われた企業経営
「変化を妨げる」性質を持つ従来の組織論は放棄されるべきだ。そのためには、この組織論が具体的にどのような悪影響を及ぼしているのかを徹底的に分析し、一つずつ排除していく必要がある。 世に数多く存在する企業の「組織論」や「管理論」(マネジメント... -
分掌主義の誤り
分掌主義の問題点 伝統的な組織論では、職能に基づいて役割を分けるという発想が採用されている。簡単に言えば、特定の技能が必要な業務を集約し、それを部門として編成し、部門単位での活動を展開する形をとる。このように業務を分担する方法は「分掌主義... -
責任権限論の誤り
責任権限論の誤り:組織の柔軟性を阻む危険な構造 「責任権限論」は、一見すると業務の分担や役割を明確にし、組織の効率を高めるように思える。しかし実際には、業務の境界を固くし、人々が自身の責任範囲外の問題に関わらなくなる傾向を生むため、組織内... -
人間関係は事業経営に優先しない
ある会社の社長が管理職を集めて、「仕事をスムーズに進める上で障害となっているものは何か」と問いかけた。最初に発言した課長は、「人間関係がうまくいっていないこと」と答えた。すると、他の全員も同じ意見を口にした。 社長はこう言った。「君たちは...