2024年– date –
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業績悪化の原因はどこにあったか
これとは別に、六カ月分の資金繰り表を作成してもらった。その結果、六カ月間の資金不足額が平均月商に匹敵するほどの規模であることがわかった。この深刻さについては、自分の会社に置き換えて考えれば、容易に想像できるだろう。 金融機関からの借り入れ... -
能率病が会社をつぶす
能率は企業の業績を向上させる強力な手段であることに疑いの余地はない。 戦後、アメリカで発展した能率技法が次々と紹介され、それを導入することで一定の成果が得られたのも事実だ。しかし、その結果として能率の力が過大評価され、限界への理解が欠けた... -
政策転換を勧告する
S社の業績低下の原因を分析し、その実証データに基づき、政策の転換が急務であることを指摘した。具体的には、能率主義や生産重視の経営から、収益重視・営業重視の経営へと舵を切らなければ、会社の存続が危うくなることを強く訴えた。 具体策として、以... -
高収益の受注作戦展開
最初に必要なのは、能率至上主義を手放し、効率を重視する方向へ切り替えることだ。どれだけ生産性が高くても、作られる製品が利益を生み出さなければ意味がない。 だからこそ、収益性の高い製品を選んで受注するべきだという話になる。とはいえ、収益性の... -
値上げ要求は経営者の仕事
次に、需要のない製品に対する値上げ要求についてだ。当初この案を持ち出した際、社長は「そんなのは論外だ。そんな提案をしても値上げなんて絶対に受け入れられるわけがない、無駄だ」と一蹴したのだ。 しかし、それは誤解だ。値上げが実現しない可能性が... -
重役の給料棚上げ
第二に、不足している資金については、社宅建設用に確保していた土地を売却する方針とする。合理化計画については、すでに開始しているものも含めて直ちに中止し、すべて無期限で延期する。さらに、社長以下の役員全員の給与を6カ月間半額とし、その分を保... -
政策を転換し画期的業績をあげる
社長は、私の提案に耳を傾けていた。そして、話が終わると、しばらく考え込んだ様子でこう言った。「これまで、能率を上げることが会社の業績を伸ばす鍵であり、それこそが社長としての役目だと考えていた」。 「今になって、その考えが間違っていたことが... -
S社の実例からわれわれは何を学ぶか
教訓 能率主義には会社を発展させる力がない。会社を成長させるのは、収益性の高い製品を販売するという効率主義だ。 効率主義に欠かせないのは営業活動だ。 効率主義において重視すべきなのは価格政策だ。 能率主義の限界を正確に理解しておく必要がある... -
能率は部下に任せよう
能率を否定しているわけではない。むしろ、かつて能率を専門としてきたからこそ、その重要性は深く理解している。そして、その重要性はこれからも一層高まっていく。 しかし、かつて社長や上級幹部が注目していた能率向上の課題は、その重要性が増している... -
営業力強化こそ緊急事である
S社の教訓の第二は、営業活動の重要性にある。企業の成果は内部ではなく、外部に存在する。売上があって初めて成果が生まれる。 どれほど高性能で高品質な商品であっても、売れなければ単なるスクラップにすぎない。いくら効率的に生産しても、それが低収...