2024年– date –
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不平不満はなくせない
知能指数とは、知能検査で測られた値に過ぎないという皮肉がある。この論理をそのまま適用すれば、モラールとはモラール・サーベイによって測られるものであり、それがそのまま勤労意欲を意味するわけではない。 モラール・サーベイというアンケート結果を... -
能力に合った仕事を与えることなど、できない相談である
人間関係論の教授たちは、口を開けば「部下にはその能力に見合った仕事を割り振れ。無理をさせるのは禁物だ」と説く。 一見もっともらしく、正論のように聞こえるが、こんな馬鹿げた理屈は存在しない。この論法に従えば、部下の能力を完全に把握していなけ... -
動いて働かず
T産業の社長S氏は、驚異的なスタミナを持つ人物だ。毎朝早く家を出て、一日に一〜三社を訪問して用事を片付ける。その後、十時ごろには営業所に姿を現し、昼までの約二時間を全力で駆け抜ける。次々とかかってくる電話に対応し、商談を手際よく処理して... -
無能な部下ばかりだ
N社は、従業員が200名強在籍する中小企業の合理化モデル工場であり、U社の専属工場でもある。社長は、自社の専門技術に精通したエキスパートであり、生産技術にも深い知識を持つ。自らの技術力を駆使し、現場の隅々にまで目を配り、改善策を指示している... -
空しい努力
T産業の社長やN社の社長のような叱咤型のリーダーは、際立った個性と並外れたエネルギーを持ち合わせている。さらに、頭脳明晰で、知識を深めるための努力も怠らない。 異常な熱意と執念を燃やして経営に取り組む姿勢には感服せざるを得ない。ただ、それ... -
企業の成果は外部から得られる
ワンマン経営者の根本的な問題点は、関心の矛先が企業内部や部下に向いてしまい、外部に目を向けないところにある。こうした経営者にとって、外部への関心は常に後回しとなりがちだ。 一般にワンマン経営者への警鐘として、「人材が育たず、部下のモチベー... -
セールスマンの情報で新商品を
K社は食品の特定分野に特化したメーカーで、同業他社百数十社の中でベスト10に迫る位置にいる。しかし、目前の目標に手が届きそうで届かない状況が続いている。その理由は、現在の売上の8割以上を3種類の主力商品が占めており、それ以外の十数種類の商品が... -
部下に経営計画を立てさせて
S社は業界トップクラスに位置する大手企業で、業績も安定している。創業者である社長は、数十年にわたり地道に事業を発展させ、現在の地位を築き上げてきた。その過程では数々の危機を乗り越えており、経営者としての手腕と覚悟は揺るぎないものがある。 ... -
評論家社長
A社は、自社ブランドの商品を自ら販売する独立企業だ。しかしながら、独立企業としての誇りや活力はほとんど感じられない。品質面でも優れておらず、業界内での地位も低く、いわゆる限界メーカーに位置している。社内には停滞した空気が漂っている。 昭和... -
組織いじりばかり
L社の社長は、組織をいじるのが何よりも得意だ。一年に三、四回は組織を変える。その理由は単なる趣味ではなく、経営が思うように進まないのは組織に問題があるせいだと信じ込んでいるからだ。 自社製品を扱う独立企業でありながら、業績は極めて低迷して...