2024年– date –
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この次は俺の番だ
L社は、約20のガソリンスタンドを運営する石油販売会社だ。同社は所属する石油元売業者の系列内で、売上高では最近トップ10に入るレベルだが、収益面ではおそらくトップを占めていると考えられる。 さらに、驚異的な成長力を持ち、あと2〜3年でトップ5入り... -
一国一城の主になれる
N製作所は社員数が約20名ほどの小さな会社だ。しかし、業績は安定しており、決して悪くない。主な仕事は小型の自動旋盤を使った部品加工だ。一見すると風に吹き飛ばされそうな小規模企業だが、侮れない。まさに「山椒は小粒でもピリリと辛い」を地で行く存... -
僕は株主様だ
S酸工のS社長との出会いは、昭和四十年の秋だった。きっかけは、私が講師を務めたあるトップセミナーへの参加だ。夜になると、彼は私の宿泊していた部屋を訪ねてきて、さまざまな話を聞かせてくれた。その中でも特に印象的だったのが、S酸工で導入され... -
未来を語ることこそ労務管理の基本である
経営者が社員に求めるものは、能力の高さ以上に、強い勤労意欲と情熱を持って仕事に取り組み、長く職場に定着してくれる姿勢である。こうした意欲を社員に引き出すことは、長年にわたり経営者にとって重要な課題であり、また深い悩みの種でもあった。これ... -
カウンセラー。システムまでとりながら
B社の社長が抱える最大の悩みの一つは、社員たちの勤労意欲の低さと、不平不満が社内に蔓延していることだった。些細な個人的な問題というより、自己中心的な要求や相談が次々と社長の元に持ち込まれる状況が続いていた。 社長は、「一倉さん、他の会社で... -
部下と話合いをしすぎて
C社の工場長は、社長の弟であり、常務取締役の立場にもある。性格は穏やかで、人間関係を重視する姿勢が特徴だ。社内の人間関係に常に目を配り、その改善に向けて尽力している。 作業環境に問題がないか、上司としての対応に不足がないか、常に気を配り、... -
部下の自主的な活動に期待したが
数年前のセミナーで名刺を交換した0社の0社長から連絡があった。業績が振るわず、支援を求めているという話だ。当時は事業が順調だと聞いていただけに、意外な展開である。 久々に顔を合わせ、社長の話を聞いているうちに、これは厄介な状況だと感じた。話... -
部下の立場に立って顧客を無視する
P社の工場長は、人間関係を重視する熱心な信奉者だった。企業運営において最も重要なのは「人の和」だと考え、物事を決める際には部下と徹底的に話し合う必要があるという信念を持っていた。 P社は受注生産を行う企業であり、営業部員は顧客からの引き合い... -
人間関係病
戦後、日本の企業社会に根深く入り込んだ「人間関係病」は、非常に厄介な問題だ。この病の特徴として、まず挙げられるのは、摩擦そのものを過度に悪とみなす風潮だ。次に、何事も部下と相談することを重視するあまり、部下が上司よりも優位に立つ状況を生... -
摩擦なき企業の危険
I氏は、自分が尊敬する先輩の一人だ。ただし、それは彼の人柄に関してであって、社長としては全く評価できない。人として立派であることと、経営者として優れていることは、まるで別の話だ。 I氏は、過去に米軍関連の仕事に従事していた経験があるため、そ...