2024年11月– date –
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価格戦争
B社の冷静な対応 B社は自動洗車機を販売する業界トップの企業だ。数カ月前から、業界2位のT社が市場に半額という破格の値段で製品を投入し、B社に攻勢を仕掛けていた。その結果、いかに強力なB社といえども苦境に立たされ、年間の売上はじわじわと下降を続... -
こちらから価格攻勢をかける
これまで挙げた例は、すべて相手側から価格攻勢を仕掛けられた場合の対応策だが、一方的に受け身になるだけではなく、こちらから価格攻勢を仕掛けるのも戦略として当然の選択肢だ。 これまで挙げた例に反し、簡単に対応されてしまうような不用意な価格攻勢... -
同盟作戦
第1話:J社の同盟作戦に直面 久々にセミナーに顔を出したJ社長が、大手二社が連携して自社を攻めてきている状況を語った。 J社を訪れたのは五年ほど前のことだ。まだ年商が十億円に届いていなかったが、社長の人柄は実に立派で、加えて強力な商品を抱えて... -
「戦い」のいろいろ
デマ作戦 D社長から緊急の相談があると連絡が入った。内容は、「D社が不渡りを出した」というデマが流されているが、どう対処すべきかというものだった。 D社は、支払手形を一枚も振り出していない。バランスシートにも資産表にも「支払手形」という勘定科... -
乗っとり
A社の乗っ取り経緯 A社長は技術者としての才能に優れ、自社の加工技術に精通しながら、研究熱心な姿勢で新たな加工方法を次々と生み出していた。しかし、値下げ要求があまりにも厳しく、そのハードルを超えることはできなかった。 さらに、極端なワンマン... -
市場戦争に勝ちぬけ
まず最初に必要なのは、「穴熊社長」との決別だ。穴の中にじっと身を潜め、外の世界を入り口から見える範囲だけで捉えるような姿勢では、何も進展しない。 同時に、全力を尽くした情報収集と分析によって「敵を知る」ことから始めるべきだというのは、「孫... -
小企業が全国的な販売網を持つでも
販売を戦いに例えることはよくあるが、その「戦い」の具体的な中身を理解している企業は驚くほど少ない。営業部門に全てを委ね、競争の本質を深く考えることなく、単なる価格競争や漠然とした「競争している」という意識だけで済ませているケースが大半だ... -
販売戦などどこにもない
占有率の重要性 占有率は、業界全体の総売上に対する特定の企業の売上高の割合を指す。総売上の代わりに特定の商品を基準とすれば、その商品の占有率となる。占有率が高ければ高いほど、市場での影響力や地位が強固であることを示す。この指標は企業の強さ... -
限界企業の運命は、この世から消え去るのみである
売上高の重要性と小規模企業の課題 売上高は市場における活動を測る指標だ。他社よりも売上高が伸びているという事実は、販売戦略で優位に立っている証拠となる。競争で勝ち続ければ、最終的には相手を打ち負かすことが可能だ。完全に倒せなくても、相手の... -
限界企業でなくとも危険はある
限界企業が抱えるリスクは主に外部、つまり市場環境に起因するのに対し、限界企業ではない企業が直面するリスクは、内部、すなわち自社の組織や運営体制に存在することが多い。 市場占有率が高まり独占的な立場になると、その優位性に安住し、内部から腐敗...