2024年11月– date –
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総代理店制はとるな
総代理店制がもたらすリスク K社は、従業員約千人を抱える中堅企業だ。事業部は二つあり、一方は堅実に業績を伸ばしているが、もう一方は3年間連続で赤字が続き、その額は年々拡大している。黒字を生み出す部門がなければ、倒産は免れなかっただろう。 赤... -
全国を制覇したいというが
H社は洋品雑貨を取り扱う問屋であり、主に百貨店向けの取引を行っている。従業員は約300名在籍しているが、そのうち200名が百貨店に派遣されている店員だ。訪問したのは期末間近のタイミングで、当期の赤字は推定で約2億円、不足資金も同額に上る状況だっ... -
「きめの細かい販売網」はダメ
規模を拡大しようという発想から生まれるもう一つの間違った行動が、「緻密な販売ネットワークを構築すること」だ。 I社は焼き菓子を製造する企業だ。数年前、販売促進を目的にあるコンサルタント会社に指導を依頼した。その会社から派遣されたコンサルタ... -
複数の販売チャンネルを考えよ
F社は手押し式掃除機を製造する企業だ。同社は総代理店制を採用しており、販売経路として主にデパート、スーパーマーケット、そして家庭雑貨店の三つを柱としている。 F社の社長は、現行の販売網に物足りなさを感じていた。F社自身が新たな販路を切り拓... -
個々のチャンネルでは体質に合った少数問屋に絞れ
販売チャンネル内の問屋選びは、当社の売上を左右する重要な課題であり、各社が知恵を振り絞って取り組む問題となっている。 しかし、正確な選定を行う企業はむしろ少なく、多くの企業が選択を誤るのが現状だ。不思議なことに、その誤り方は驚くほど似通っ... -
チェーン店は店舗のスクラップ・アンド・ビルドを
M社は靴を扱うチェーン店で、大小さまざまな規模の店舗を合わせて15店舗展開している。そのうち5店舗が赤字を抱えており、中でも3店舗は本社費用の負担どころか、店舗運営自体の費用すら賄えていない状況だ。社長にこれらの赤字店舗についてどうするつもり... -
販売網をどう整備するか
これまで、販売網に関するさまざまな注意点を挙げてきた。これらを踏まえたうえで、具体的にどのように販売網を整備していくかが問われる。 販売網とは単にその仕組みだけを考えればよいという単純なものではない。販売網の整備には、まず企業の「市場戦略... -
加工業の販売促進
加工業者が販売促進を進める際には、まずリスク分散を意識することが重要だ。「寄らば大樹の陰」とばかりに大企業をターゲットにするケースが多いが、このような戦略では、特定の業界や顧客に依存しやすくなる傾向がある。 「経営戦略篇」で述べたように、... -
社名が販売を阻害していないか
浅川ガラスという会社がある。ただガラスだけでは立ち行かないと考え、プラスチック事業にも手を広げた。ところが、プラスチック製品を売り込もうと名刺を渡すと、「ガラス屋さんなんですね。プラスチックは片手間ですか」と言われる始末。営業部長は、そ... -
商品名・型式名をやさしく
東芝が開発した「自動炊飯器」は、松下によって「電気釜」という親しみやすい名前に置き換えられた。これが松下の持つ庶民的感覚だ。同様に、「電卓」を「電子ソロバン」と呼び換えたのも、顧客に身近なイメージを届ける戦略だといえる。「電子ソロバン」...