2024年11月– date –
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季節変動をカバーする
T社は繊維業界で包装関連事業を展開している。この業界では、秋冬物が売上の大部分を占める一方で、春夏物の売上は控えめだ。T社の売上の約70%は、秋冬物の仕事が集中する上半期に達成される。そのため、下半期は夏物のシーズンに合わせて事業を動かすも... -
外注比率を高めると利益率はどうなるか
外注比率に関する一般的な誤解 U社の経営計画を支援した際、U社長は「収益性を向上させ、利益率を高めるために、外注品を可能な限り内製化していきたい」と語った。 M社での支援時、私は「社長は長期的な視野で自社の事業を考えるべきだ」と至極当たり前の... -
不採算の輸出をやめたらどうなるか
A社の輸出事業の現状と課題 A社は特定の商品を手がける専門メーカーだ。この商品は、国内市場で約3分の2、輸出市場で約3分の1の売上を占めている。国内市場におけるシェアは90%に達し、残りの10%はA社の製品と競合しない低価格帯の商品で占められている... -
セールスマンを増員したらどうなるか
C社は缶詰の製造を手がける企業だ。長い間、過当競争による収益の悪化が続き赤字に陥っていたが、新商品を投入したことでようやく黒字化を果たしたばかりだった。 前期の実績は〈第45表〉の実績欄に示されている通りだ。この業界は付加価値率が低く、C社の... -
費用の増加だけを計算して
C社の販売力強化事例 C社は缶詰の製造を手がける企業だ。長い間、過当競争による収益の悪化が続き赤字に陥っていたが、新商品を投入したことでようやく黒字化を果たしたばかりだった。 前期の実績は〈第45表〉の実績欄に示されている通りだ。この業界は付... -
利益率か資金効率か
A社は衣料品を扱う小売業を展開している。市場シェアを確保するには、チェーン店の拡大を急ピッチで進める必要性を強く感じていた。店舗拡大にあたり、土地を購入して新規に建設する方法、土地を借りて店舗を新築する方法、あるいは既存店舗を借りる方法の... -
新商品開発費をどう回収するか
M社長は、新商品の開発に次々と意欲を見せ、自ら手掛ける。しかし、それらの商品は性能こそ優れているものの、価格設定が適切でないために、売上が伸び悩むことが常だった。その結果を営業部門の努力不足だと一方的に断じるため、営業部門は困惑し、不満... -
財務分析だけでは不十分
会社は、多種多様な人々がそれぞれ異なる活動を行い、常にどこかで変化が生じている場だ。そのため、その全体像を正確に捉えるのは予想以上に難しい。 そのことを裏付ける例として、私が訪問する多くの会社の社長たちが挙げられる。自社の実態を正確に把握... -
会社の数字は絶対額とともに傾向で見るのが本当
会社の数字は、絶対額だけで判断するのは当然だが、それだけでは十分ではない。むしろ、場合によっては誤った結論に至る可能性があるため、注意が必要だ。具体例を挙げて説明してみよう。 A社とB社の経常利益率の傾向を分析すると、興味深い違いが見える... -
バランスシート
バランスシートは、期末時点で企業が保有する資産と、それを形成した資金の出所である負債(他人資本)と資本(自己資本)の構成を示すものだ。例えば、ある人が1,000万円の土地を持っている場合、これが1,000万円の資産に該当する。この資産が自己の貯金5...