2024年11月– date –
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何を計算させるか
コンピュータの活用範囲は限りがない。法則性が存在し、数値化が可能なものであれば、どのような事柄でもコンピュータで扱うことができるからだ。 しかし、事業経営に応用するとなると、その活用例は驚くほど限られている。単純で次元の低い事柄には多くの... -
よい組織とは
従来の組織論は、企業という存在を考慮に入れず、もっぱら内部の管理に焦点を当てた理論だ。企業内部がどのような状態であろうと、外部の環境は絶えず変化する。顧客のニーズは移り変わり、競合他社からのプレッシャーも増大していく。 こうした変化への対... -
正しい組織原理
この原理は、観念的な思考から生まれたものではなく、多くの実戦経験を通じて培われたものだ。人間の本質に深く根ざし、成功と失敗から得られた教訓を十分に反映している必要がある。まずはこの組織原理を理解し、自社の特性に適した組織を構築し、それを... -
社長の意図が正しく伝えられ、実行に移されなければならない
組織は縦方向に階層構造を持ち、横方向では専門的な機能や役割を担う部門に分かれている。階層が異なれば、業務の性質や次元も大きく異なる。 トップの役割は「事業を経営する」ことであり、管理職は「日常業務を管理する」ことを担い、一般社員は「指示さ... -
成果第一主義が貫かれている
N社は食品問屋で、年商は10億円。社員数は社長を含めて44名。だが、大幅な赤字を抱える状態だった。組織形態は典型的な「赤字型」であり、その原因は社長が事業経営の本質を全く理解せず、伝統的な組織論に盲目的に従っていたことにあった。 社長の下に専... -
変化に対する機動力と弾力性をもたせる
L社は製紙機械と電線機械を手がけるメーカーだ。石油ショックの影響で受注が減少し、業績は低迷していた。しかし、昭和52年頃から製紙機械の受注が回復し始める。この回復は新たな需要というよりも、老朽化した設備の更新需要によるものと考えられる。その... -
実力に応じた昇進と抜擢を行なう
企業にとって、人材を最大限に活用するためには、優れた能力を持つ者を昇進させたり、抜擢して活躍の場を与えたりすることが欠かせない。その重要性については改めて語るまでもない。 しかし、現実にはそれが実行に移されることは少ない。実力主義や少数精... -
「長」には生殺与奪権の一部を与える
若い頃に勤めていたS社の社長は、典型的なワンマンタイプだった。会社のあらゆることが彼の指示で動いていた。 どんな伝票であろうと、すべて社長が目を通していた。社員寮の電話料金が多いと総務部長が激しく叱られ、現場で水道の蛇口がきちんと締まって... -
未来部門は必ず分離し、社長直轄とする
これは前述の「新事業・新商品開発」編で既に触れた内容であり、本章でも先に取り上げた話題だ。ここでは復習にとどめるが、重ねて取り上げた理由は、それが極めて重要だからだ。 未来事業は、我が社の将来を左右する重要な要素だ。遅れることは絶対に許さ... -
三権分立
S社の検査課は製造部に所属していたが、その実情は悲惨だった。どれだけ真摯に検査を行っても、製造部長が現れて不良品を確認し、「この程度なら問題ない」として合格品にしてしまうことが常だった。それだけにとどまらず、「不良品を手直ししろ」という指...