2024年11月– date –
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見失われた企業経営
「変化を妨げる」性質を持つ従来の組織論は放棄されるべきだ。そのためには、この組織論が具体的にどのような悪影響を及ぼしているのかを徹底的に分析し、一つずつ排除していく必要がある。 世に数多く存在する企業の「組織論」や「管理論」(マネジメント... -
分掌主義の誤り
分掌主義の問題点 伝統的な組織論では、職能に基づいて役割を分けるという発想が採用されている。簡単に言えば、特定の技能が必要な業務を集約し、それを部門として編成し、部門単位での活動を展開する形をとる。このように業務を分担する方法は「分掌主義... -
責任権限論の誤り
責任権限論の誤り:組織の柔軟性を阻む危険な構造 「責任権限論」は、一見すると業務の分担や役割を明確にし、組織の効率を高めるように思える。しかし実際には、業務の境界を固くし、人々が自身の責任範囲外の問題に関わらなくなる傾向を生むため、組織内... -
人間関係は事業経営に優先しない
ある会社の社長が管理職を集めて、「仕事をスムーズに進める上で障害となっているものは何か」と問いかけた。最初に発言した課長は、「人間関係がうまくいっていないこと」と答えた。すると、他の全員も同じ意見を口にした。 社長はこう言った。「君たちは... -
お客様こそ事業のすべて
自分自身が正しい姿勢と行動を持たなければ、社員にそれを求めることはできない。社員は、社長の姿勢や行動を完全に手本として見る存在であることを常に意識する必要がある。 会社はお客様の存在によって成り立つ。お客様がいなければ事業は生まれず、信頼... -
会社の中に自由はない
お客様の要求について少し考えてみる。お客様は相手の会社の内部事情を調べた上で、それに合わせた要求を出すわけではない。むしろ、相手の状況など一切気にせず、自分の要望だけを一方的に押し付けてくるものだ。 だから、お客様の要求と自社の事情が一致... -
社員とはお客様に対して責任を持たない人種と知れ
社員が持たない「お客様への責任意識」を社長が補う必要性 社員による判断ミスと顧客満足への影響 社員は会社やコストのことを考えつつも、その結果が顧客にどう影響するかを見落とす場合が多い。例えば、G社の惣菜担当が「コストを抑えるため」という判断... -
社長室は質素に
社長室の質素化と経営における無駄の排除 質素な社長室が示す企業姿勢 成功している企業の多くに見られるのは、質素で必要最低限の設備を整えた社長室だ。N社の社長室は簡素で実用的である反面、研究所は最新の設備が整えられ、社員が集中して業務に取り組... -
「社長の決定や指令は守らなくてよい」という教育をしていないか
B社を訪問し役員会に出席した際、B社長が日頃から「こうしたい」と話していた内容について、社長の決定事項として役員に指示を出すよう提案した。 しかし、B社長は指示を出そうとしない。そこで、「社長、方針を変えたのですか?」と尋ねると、「変更して... -
方針・指令。規則違反は人前で叱れ
「先生、うちの管理職に、私の指示をあれこれ理由をつけてはぐらかし、きちんと実行しようとしない者がいるんですが、どんなふうに叱るのが効果的でしょうか?」とM社長が尋ねてきた。 「これまで、どんな叱り方をしてきたんですか?」と尋ねると、「人前...