2024年11月– date –
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実績のないものは売りにくい
J社は、商品ラインナップの強化を目指し、独自に温水器を開発した。入念な製造プロセスと徹底したテストを経て、性能と安全性に確かな手応えを得た上で市場に投入した。 これを特約店に提案しているが、簡単には受け入れてもらえない。話を聞いてはくれる... -
初期故障対策に万全を期せ
N社は大型機械を手がけるメーカーだ。同社の製品は一台あたり数千万円から一億円を超えるものが多く、その価格帯からもわかるように、開発した機械が市場で売れるかどうかが業績に大きく影響を与える。 石油不況の影響でN社の売上は低迷し、社長は頭を抱え... -
販売網はこうして作る
K社はF県I市に拠点を置く食料品問屋だ。社長は、低マージンの食料品販売だけでは事業の限界があると感じ、模索を続けていた。そんな中、運よくある商社からクロレラの全県における独占販売権を獲得することができた。 いよいよ販売開始が決まり、商社の営... -
蛇口作戦
L社は錠前の専門メーカーだ。かつては鋼製家具用の錠前を主力としていたが、業界のニーズに応じて事業を拡大し、建築用錠前の分野にも進出している。 収益性向上を目指し、さらに建築錠前を強化する必要があるという社長の方針のもと、玄関用の高級錠前を... -
地域戦略
S社は電気機器を製造する企業だ。売上の大半は大企業の下請け業務から得ており、一部は市販品として販売しているが、市場占有率は1%未満と極めて低く、ほぼ限界的な生産者に位置付けられる。本社はS県に構え、東京には営業所を展開している。 売上の大半が... -
新事業を創る
M社から、新商品の事業化をサポートしてほしいという依頼が来た。M社は大企業の下請けを担っているものの、石油不況の影響で業績が大きく落ち込んでいる。そこで、長年の課題だった自社商品を活用し、収益の拡大を目指したいという狙いがあるようだ。 その... -
新事業は社長以外の誰の役割りでもない
H社は業界トップのシェアを持つ優良企業だ。社長のH氏は、自身の時間の大半を顧客のもとで過ごしている。会社にいる時間は少ないが、その姿が見られるのは決まって開発室だ。顧客の声を直接聞き、それを開発室で形にする。この往復こそが、H社の新商品がヒ... -
企業の内部に成果はない
企業は多種多様な人々の集まりで構成されている。その個々の人間をどのように動かすかによって、企業の成果は大きく変動する。しかし、この課題は非常に複雑であり、経営者の意図通りに人々が行動してくれるわけではない。 その結果、経営学と呼ばれる学問... -
「顧客の要求を満たすための内部体勢」が組織である
企業の成果は顧客の要求を満たすことで得られる以上、社内の思考や行動のすべては、顧客の要求を出発点とし、最終的にそこへ戻るべきである。これはごく当たり前のことである。 しかし現実は全く逆で、顧客の要求はどこかへ消え失せ、会社内部にあるのは「... -
企業組織は外部情勢の変化に対応しなければならない
伝統的な組織理論は、内部管理に偏重している。この偏りはどこから生じたのだろうか。欧米では、中世以前に「企業」と呼べるものは存在していなかった。十八世紀から十九世紀にかけて、家業や生業といった形態の事業が徐々に規模を拡大し、やがて工場とい...